■「人の生活に寄り添う訪問看護」
訪問看護ステーションうんなん
☆今回は看取りについてお伝えします。
◯自宅での看取りとは
「看取り」とは元々は病気の方などを介護する行為を表す言葉でした。しかし最近では、その人が一生を終える瞬間まで、その人らしさを大切に尊厳ある生活を支援する過程といわれています。
◯どんなことをしているの?
利用者さんの体調の変化を見極めて、体拭きや着替えのほか、状況に応じたケアを行います。
また、利用者さんだけでなく、自宅という医療資源の少ない環境で徐々に衰弱していく利用者さんの姿に不安を抱えながら寄り添っているご家族に対して、いつでも連絡が取れる体制をつくり、支援しています。
最期の時が近づく兆候が見られるようになると、主治医と連携しながら、ご家族にもその流れをリーフレットを使ってお知らせします。心配なことがあれば、主治医や訪問看護に相談することや、どんなときにどこに連絡をすればよいかなどをお伝えします。
最期の時を迎えられたあとは、旅立ちの準備を行います。洗髪や体拭きなどを行ったあとに、着替えを行いますが、その方のお気に入りの服や職業のユニフォーム、和服を着られることもありました。
◯当ステーションでの「看取り」
令和5年度は1月までのところで自宅での看取りが10件ありました。
主治医は雲南市立病院の訪問診療であったり、在宅医の訪問診療であったりと背景はさまざまです。
最期の時は時間を選びません。特に訪問介入の依頼があった時点で予後が数日~数週間との情報がある場合は、いつでも緊急の対応ができる様に、利用者さんの状態把握のために複数のスタッフが訪問します。ケアマネージャーをはじめ他職種と連携をとりながら、主治医からの話をどのように理解されているか、在宅で最期を迎えるための準備がどの程度されているかどうかを確認しつつ、状況に応じたケアを行います。
状態が悪くなっていく一方で、もう数日と主治医が判断された後も状態が一時的に回復し、1ヵ月以上最期の時間をご家族と過ごされた方や、訪問診療の頻度も減らすことができ、デイサービスにも通われた方もありました。「自分の家」が持っている見えない力を感じずにはいられません。
◯お悔やみ訪問
看取りが終わると訪問自体は終了しますが、当ステーションでは改めて自宅に訪問し、最期の時やご本人やご家族の歴史などを伺います。ご家族と利用者さんのことを語り合うことで、大切な方を失った思いを共有し、悲しみの気持ちからの回復を支援します。
ここで、ご家族の言葉を紹介します。
・本人が家に帰りたいと言っていたので、家で看取ることができて良かった。本人も余命のことも医師から聞いていました。たくさんの親戚に会うことができて良かった。皆さんにはお世話になりました。
・亡くなる前日は仕事帰りの孫にも元気な様子を見せていたが、翌日5時に様子を見に行ったら冷たくなっていました。読書が好きで頭の良い母でした。こんなに早く逝くなら一緒に寝てあげれば良かったと後悔がありますが、精一杯世話ができたのでそのことでは後悔はありません。本当にありがとうございました。
◯最後に
自宅での看取りを紹介してきましたが、家で大切な方が最期を迎えることに直面することは不安を伴い、心が揺らぎます。病院での看取りで安心される方もいます。私たちは利用者さんやご家族の、どこでどのように自分の人生を終えたいかという気持ちに寄り添い、支援を続けていきます。
問い合わせ先:訪問看護ステーションうんなん
【電話】0854-47-7530
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