【飯南病院便り】
◆浮腫(むくみ)について
松江市立病院 2年次研修医 井田千紗子
今回は浮腫のお話をします。浮腫は、あらゆる疾患や薬剤によって生じる他、加齢や運動不足などの生活習慣、女性ホルモンの影響などの生理的変化として生じることもあり、私たちにとって非常に身近な存在です。
浮腫の要因は以下の3点に分けることができます。
(1)運動習慣、立ち仕事、塩分過剰摂取、飲酒などの生活習慣に関与するもの
(2)月経・妊娠、貧血、冷え性など女性特有の要因が関与するもの
(3)心疾患、腎疾患、肝疾患など身体的疾患や薬剤に起因するもの
生活習慣に関するものや、冷え性については気軽に対策可能な方法がいくつかあるので紹介します。
まず1つ目に、過剰な塩分摂取を控えることです。塩分を摂りすぎたら、意識的にカリウムを摂取すると良いとされています。かぼちゃはカリウム含有量が高く、茹でても含有量がほとんど変化しないためおすすめです。
2つ目は、かかと上げや足首の前後運動などで血流を良くすることです。ふくらはぎの筋ポンプ作用を促進させることで、血流を改善させることができます。リンパマッサージもリンパの流れを改善させ、浮腫解消が期待できます。“老廃物の出口”となる足のつけねや腋(わき)のリンパ節を指圧でほぐし、手足の指先から体の中心に向かって流すことがポイントです。
その他にも入浴の習慣をつける、着圧ソックスを履く、脚を高くして眠る、なども浮腫の解消方法として挙げられます。このように、浮腫の原因を把握し、予防・解消できるような生活習慣を心がけることが大切です。
【保健福祉センター便り】
◆飯南町地域ケアフォーラムを開催
11月25日土曜日に、保健福祉センターを会場に『飯南町地域ケアフォーラム2023「飯南町の未来は私たちが創る」~持続可能な地域づくりのために~』を開催しました。
フォーラムは4年ぶりの開催となり、姉妹病院提携を結んでいる久美浜病院(京都府)と太陽福祉会の皆さんも参加されました。フォーラムでは職員が日ごろの業務をもとに研究を発表。また、飯南町福祉施設協議会や久美浜病院の研究発表もありました。
研究発表後は、町長による基調講演(町の現状や取組など)や、中山間地域研究センターの東主任研究員を講師にワークショップも行いました。
約70人の参加があり、医療福祉の観点を中心に、持続可能な地域づくりを学ぶ機会となりました。今後も、福祉施設協議会や久美浜病院と連携し、地域包括ケアを推進していきます。
問合せ:
飯南病院【電話】72-0221
来島診療所【電話】76-2309
保健福祉センター【電話】72-1770
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