地域の未来を担う子どもたちの成長のため、今年度から町内の全小中学校に導入されたコミュニティ・スクール。導入の目的やモデル校である赤来中の取組に関わる2人の想いを取り上げます。
◆地域を学びの場に
コミュニティ・スクール(以下コミスク)…聞きなじみのない言葉ではないでしょうか。コミスクとは、「学校運営協議会(学校と保護者・地域住民が学校運営に必要な支援に関する協議をする場:以下協議会)」を設置している学校のこと。本町では、令和5年度に赤来中と志々小の2校で協議会を設置し、コミスクがスタート。今年度は、頓原中、頓原小、赤名小、来島小でもスタートしました。
「これまでも地域と学校が協力しています。これまでの活動を整理して、コミスクの活動として位置付けていけばいい」と話すのは、赤来中協議会会長の安部和昭さん(小田)です。
普段は、地域住民として、来島公民館長として学校の取組を支える安部さん。これまで生徒や児童と接する中で、子どもたちが地域の大人たちと関わる大切さを感じているそう。
「地域全体を学び場として、子どもたちを中心に、地域住民が一緒になって活動する。みんなで子どもたちに関わっていくことが大切」と話します。
◆できることから
新たな会を設置したり、取組を開始したりすると、学校への負担が増えることも。「先生方の負担が増えるのは避けたい。先生方にもコミスクが導入されてよかったと感じてもらえるようにしたい」と安部さん。「魅力化コーディネーターを中心に、協議会の委員や地域住民が学校とつながり、協働していければ」と続けます。
コミスクが導入されて2年目。今後はより地域住民が学校に行って、子どもたちに関われるようになることが期待されます。「地理的要件もあるし、ふらっと学校に行くのはハードルが高い」と安部さん。「まずは、自分たちが子どもたちのためにできることを考えてやってみること」と続けます。
「地域で子どもを育てる」―。言葉だけでなく、自らが率先して学校のため、地域のため、子どもたちのためにできることから実践していきます。
◆学校も地域を向いて
今年5月末に赤来中で行われた「トークフォークダンス」。生徒と地域住民が語り合う授業です。これまでは中学校の授業としての開催でしたが、今回はコミスクが主催しました。
「コミスクが主催となったことで、地域の皆さんに協力していただきやすくなります」と話すのは、魅力化コーディネーターの薬師寺知恵さん(上赤名)。安部協議会長が期待する地域と学校をつなぐ役割を担っています。
「私を含めて、学校の教職員もコミスク導入の目的を理解して、地域の皆さんと協働できる体制にしたいです」と薬師寺さん。地域ととともに協働するためにできることを考えているそう。「校内での共通理解もですが、学校の情報を協議会の皆さんはもちろん、地域の皆さんにしっかり発信していくことが大切だと思います」と続けます。
地域住民の皆さんが、学校に来て行事や授業に参加したり、授業や取組に対して意見をくれたり。「生徒や学校に関わる人が増えたら、うれしいです」と薬師寺さん。地域と協働するために「学校の取組を知ってもらうことから」―。今後はさらに地域に開かれた学校を目指します。
◆みんなで力を合わせて
本町のコミスク導入の目的は次の3つ。「学校と地域住民等が育てたい子ども像や目標の共有」「それぞれの教育力を高める」「地域に根差した地域とともにある学校を作る」こと。保護者や地域住民など協議会委員は、学校運営に対して自分たちの意見を反映できるのが大きな特徴です。
地域の皆さんや保護者の皆さんから意見をいただきながら、それぞれの目標や課題を共有し、地域の未来を担う子どもたちの成長を支えていくことが求められています。
コミスクに関することは、教育委員会までお問合せください。
問合せ:教育委員会
【電話】76-3944
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