■2030年度、広島駅北口に新病院誕生予定
全ての県民が、質の高い医療・介護サービスを受け、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる。そんな未来の実現を目指して、広島県では今、「高度医療・人材育成拠点」づくりに取り組んでいます。
▽「高度医療・人材育成拠点」とは?
県立広島病院、JR広島病院、中電病院の3病院を中心に、多くの医療資源を集約し、1000床規模の新病院をJR広島駅の北口に建設することを計画しています。
高度な医療や様々な症例が集積された魅力的な環境を整備することにより、全国から意欲ある若手医師を惹き寄せ、患者さんの状態に応じた切れ目のない医療を地域の医療機関と連携して提供する”地域完結型医療”を実現するとともに、広島県内で従事する医療人材の地域への派遣・循環体制の構築を目的としています。また、県立広島病院の跡地活用については、地域住民、有識者の方のご意見や住民アンケートの結果を踏まえてとりまとめた2つの方向性(「安心な暮らし」と「活気あふれるまちづくり」)に基づき、具体的な検討を進めていきます。
病床数:1,000床
診療科和:41科
※病床数・診療科構成は今後の医療需要の文化等により、変更する可能性があります。
■広島県が目指す医療の未来
【課題1】医療機能
進歩し続ける最新の医療を提供できなくなるおそれがある
↓
▽STEP1
医療資源を集約・症例を集積し、新病院を整備
【課題2】人材
県内の若手医師減少傾向の加速
↓
STEP2
▽症例の集積等、医療職にとって魅力的な環境を整備
【課題3】地域医療体制
地域間・診療科間の医師偏在の拡大
↓
STEP3
▽地域医療に関心のある医療者を確保・育成
新病院に関するQandA
Q:災害時の医療はどうなるの?
A:新病院では、県立広島病院が担っている基幹災害拠点病院の役割を引き継いで、傷病者の受入れやDMATの派遣、人材育成などにより、医療体制を確保し、災害にも強い医療機関を目指します。また、近年、広島でも頻発している水害への対策や大地震への対応を想定した造りとし、災害時の「医療の継続」「応急対応活動の実施」が確保できる病院とします。
※DMAT…大規模災害などの現場で救急医療を行う専門的な訓練を受けた医療チーム
Q:医師不足の地域はどうなるの?
A:若手医師は、全国では増加していますが、県内は減少傾向です。そのため、新病院では、多くの症例を経験でき、指導体制が充実している環境を整えて、若手医師を中心に医師を確保します。また、医師のキャリアアップ支援やワークライフバランスに配慮した医師循環の仕組みをつくって県内の医師不足の課題にも対応します。
Q:なぜ広島駅の北口なの?
A:がん医療、周産期医療、災害医療など様々な拠点的役割を担う県の基幹病院として県全域からの交通の利便性が高い立地が望ましく、また、防災上の視点からも、南海トラフ地震発生時に津波浸水のおそれのない広島駅の北口(二葉の里地区)は新病院の整備場所として適していると考えています。
Q:もし、がんになったら…?
A:日本人の2人に1人が生涯でがんになると言われています。手術、抗がん剤治療、放射線療法など、患者さんに最も適した治療法を組み合わせた治療を行います。また、がんの原因となる遺伝子を解析し、一人ひとりの体質や病状に合ったゲノム医療も提供します。
Q:こどもの医療はどうなるの?
A:こどものからだとこころの健康を守る医療に力を入れます。365日体制でこどもの救急医療に対応する中国地方初のER※併設型の小児救命救急センターやこども専用の集中治療室(PICU)を整備します。また、ひきこもり、虐待、発達障害など、こどものこころの問題に対応する児童・思春期病床も整備します。いわゆる”こども病院”として、小児のあらゆる疾患に対応します。
※ER…重症度、傷病の種類に関係なく、すべての救急患者の診療を行う施設
Q:救急患者の搬送はどうなるの?
A:今後、高齢者が増えていくと、救急患者も増えることが予想されます。医師や医療設備が分散していると、個々の医療機関では、人手不足になりやすく、救急患者を受け入れることが難しくなります。新病院では、マンパワーや設備を集約して”断らない救急”を目指します。
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