■高宮町で生まれた、近代日本画の大スター児玉希望(こだまきぼう)(1898~1971)の作品が県立美術館で一堂に
高田郡来原村(現在の高宮町)出身で、日本画壇の巨匠、児玉希望の回顧展が「広島県立美術館」で開催中です。約120作品がそろう大規模な広島県立美術館での展示会は約25年ぶり。作品を通して、安芸高田市が生んだ天才画家の軌跡に触れてみてください。
◆日本画の可能性を追求し続けた生涯
児玉希望は、「一人の画家とは思えない」と称されるほど、仏画や北宋画、大和絵、花鳥画、浮世絵、歴史画、油彩画、西洋絵画、水墨画、抽象絵画といった多彩な作品を生み出しました。多彩な画業と探究心、自由な発想、圧倒的筆力の作品を通して、生きざまを伝えます。また、3階ティールーム「徒夢創家(トムソーヤ)」では安芸高田市の柚子ヴぁたーケーキセットを提供。館全体が児玉希望にちなんだ雰囲気で彩られます。
◆主任学芸員 神内有理さん
児玉希望の魅力を分かりやすく言えば“偉人中の偉人で、めちゃくちゃ上手い”です(笑)。2m級の大作が多く、没入感を味わえると思います。また、画家としてだけでなく、プロデューサー的な視点を持ち、日本画の未来のために挑戦し続けました。その姿勢は、現代のビジネス社会を生きる私たちにも深い感銘を与えてくれると思います。
児玉希望の人生をまとめたジュニア向けガイドブックも配布しているので、ぜひご覧ください。
◆関連イベントで作品への理解を深めよう
○学芸員によるギャラリートーク
日時:11月1日(金)、15日(金)各日11:00~、18:00~
○講演会「児玉希望の画業と近代日本画のあゆみ」講師/神内有理さん
日時:11月2日(土)13:30~15:00※要事前申込
場所:広島県立美術館
○講演会「鬼になれー内弟子から見た児玉希望」講師/石原進さん
日時:11月23日(土・祝)13:30~15:00※要事前申込
場所:広島県立美術館
◆美術館に隣接する「縮景園」にもぜひ
○ARで新たな鑑賞体験
11月17日(日)まで、縮景園内の4か所に二次元バーコードが載ったパネルが設置してあります。スマートフォンで読み取ると、ARが起動し、児玉希望の作品を縮景園の景色と重ね合わせて楽しめます。
○四季の美しい庭園景色を
11月下旬から12月上旬ころには「もみじ祭り」が開催され、夜にはライトアップされた紅葉を楽しめます。
■[広島県立美術館 特別展]近代日本画の真髄 児玉希望 千変万化、驚異の筆力展
会期:12月1日(日)まで
■広島県立美術館
場所:広島県広島市中区上幟町2-22
【電話】082-221-6246
営業時間:9:00~17:00(金曜日は19:00まで)
料金:一般1,500円/高校・大学生1,000円/中学生以下無料
※割引券は本紙をご確認ください。
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