開館:9時~17時(年末年始休館)
■春から夏にかけての吾妻山の草花たち
比婆道後帝釈国定公園に属する吾妻山は、たたら製鉄に使用する木炭の製造のためにほとんどの木が伐採されました。
その後、和牛の放牧が行われたことにより、長い時間をかけて広大な芝草原ができました。芝草原に自生するウマノアシガタやレンゲツツジなどは、毒性があり和牛が食べないため、黄色や朱色の「お花畑」ができました。平成7年から和牛放牧がなくなったことで、芝刈り機で景観の維持が行われるようになり、以前のような「お花畑」を見ることはできなくなりましたが、それでもたくさんの花が今も咲き誇っています。
春を迎える吾妻山では植物が一斉に芽を伸ばし、春の花が咲き始めます。特にダイセンキスミレやニョイスミレなど、花色が黄や白、紫、ピンクのものもあり10種類以上の花が春から夏にかけて咲き続けます。
季節が進み初夏になると、花の色はさらに鮮やかさを増し、レンゲツツジやタニウツギ、イワカガミなどが赤色の花を咲かせます。
草花には、名前の由来を知ると覚えやすいものがあります。
スミレは、大工さんが使っている「墨入れ」に花の形が似ているところから、転じてスミレになったのではないかという説があります。ネコノメソウは、昼間のネコの目に似ていることから名付けられました。木の仲間のハナイカダは、漢字で書くと「花筏」で、葉の中央に花が咲く様子を筏に例えた名前です。ヨメノナミダという名前が残っている地域もあり、黒くなった実を嫁の涙に例え、嫁いだ家で悲しい思いをして、人に隠れて流した涙がハナイカダの葉に落ちたという由来から名付けられました。
春はこれらの草花が咲き誇ります。皆さんも吾妻山や中国山地の山々を散策し、季節に応じて変化する草花を観察してみてはいかがでしょうか。
【博物館公開講座】
第2回「吾妻山散策~初夏の草花をさぐる!~」
とき:6月2日(日)
※詳しくはホームページをご覧ください。
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本紙を参照ください
問合せ:比和自然科学博物館
【電話】0824-85-3005
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