■見直そう!脂質の摂りかた
脂質は、エネルギーを生み出し、体を温め、細胞や臓器を守る働きがあります。脂質には様々な種類があり、種類によって体の中での働きも異なります。摂りすぎた脂質は、体内に蓄えようとする仕組みがあるため過剰摂取は太りすぎの原因につながります。また、摂りすぎた炭水化物からも脂質が作られ体内に蓄えられます。脂質については、「あぶら」とひとくくりにしてしまうのではなく、種類に応じて摂り方を工夫しましょう。
◆種類と特徴
▽〔油〕積極的に摂取してほしい脂質(魚や植物に含まれ、常温で液体)
○一価不飽和脂肪酸
血中のHDLコレステロール(善玉)はそのままで、LDLコレステロール(悪玉)を低下させる働きがあります。
・オリーブオイル
・アボカド
・ナッツ類
○多価不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)
・n-3系脂肪酸(オメガ3)
中性脂肪を低下させる働きや、血管の保護作用、抗血栓作用があり、積極的に取り入れてほしい油です。
青魚…いわし、さば
・n-6系脂肪酸(オメガ6)
LDLコレステロール(悪玉)を低下させる働きがありますが、摂取量が多いとHDLコレステロール(善玉)まで低下させてしまいます。低HDL血症の場合はとりすぎに気を付けましょう。
大豆油、ひまわり油、ごま油
※多価不飽和脂肪酸のオメガ3・オメガ6は「必須脂肪酸」といい、体内で作ることができないため、食品から摂る必要があります。
▽〔脂〕摂取量に気を付けてほしい脂質(動物性の脂質に含まれ、常温で固体)
○トランス脂肪酸
植物油に水素を添加して作られた油。摂取量が多いとLDLコレステロール(悪玉)を増加させ、HDLコレステロール(善玉)を低下させる働きがあり、脂質異常症や動脈硬化のリスクを高めます。トランス脂肪酸の多い食事はインスリンの効きを悪くするため、糖尿病のリスクを上げるとされています。
・マーガリン
・ショートニング(パン、ケーキ、クッキーなどの洋菓子に使用)
○飽和脂肪酸
摂取量が多いと、LDLコレステロール(悪玉)を増加させ、心臓病や肥満のリスクを高めます
・肉の脂
・乳製品(バターなど)
◆見えない脂質に注意!!
見える脂質:普段調理で使用する油脂(植物油、バター、マヨネーズなど)
見えない脂質:食品に含まれている油脂(肉、パン、お菓子などに含まれる)
日本人は約8割を「見えない脂質」から摂っているといわれています。トーストなどの場合、マーガリンやバターなど「見える脂質」に目が向きがちで、パンにもともと含まれている「見えない脂質」は見逃しがちです。気づかないうちに摂り過ぎている脂質に気を付けましょう
◆脂質を上手にとろう
(1)調理方法や食品選びを工夫する
・油の使用が少ない「煮る」「蒸す」「ゆでる」の調理方法を取り入れる
・肉を選ぶ時は、なるべく脂身の少ない部位を選ぶ
豚バラ肉(60g)脂質21.2g⇒豚ロース肉(60g)脂質7.1g
※脂質33%カット
・ドレッシングをノンオイルのものに変更する
(2)脂肪分の多いお菓子を食べ過ぎない
(3)不飽和脂肪酸を含む食品を摂る
問合せ:上板町保健相談センター
【電話】088-694-3344
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