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ウミガメNews Letter No.29

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徳島県美波町

■日和佐の「龜見」
多くの方がご存じのように、日和佐うみがめ博物館カレッタは昭和25(1950)年から始まった日和佐中学校科学部海亀研究班の研究活動が発端となっています。今回の展示リニューアルでは、その活動内容や国際的な認知、その後、国内にウミガメ保全活動が広がった経緯に関する展示を拡充しました。加えて、中学校の研究活動より以前の日和佐とウミガメの情報を探るために文献調査をしたところ、昭和10(1935)年に発行された秋山漣三著「内外普通脊椎動物誌(受驗研究社)」という書籍の中に、「阿波の太平洋沿岸の一地、日和佐では七月から八月にかけて濱地に産卵に來る海龜の見物に、夜中堤灯をさげた「龜見」の人で賑ふといふ。」という記述を確認しました。この書籍の著者は京都の旧制中学校で博物科を担当した教諭で、明治36(1903)年~昭和17(1942)年に執筆活動の記録が確認できました。ここから判ることは、文末を「賑ふといふ」と聞き伝え形式としているので、SNSなど現代風の情報発信手段など無いその当時とすれば、日和佐の「龜見」は聞き伝えなどで著者に届くほどの情報だったのでしょう。そして書籍の発行年が昭和10(1935)年であることから、この本の原稿を執筆していたと思われる昭和の初期に多くのアカウミガメが大浜海岸で産卵していた事の裏付けになりそうです。現代のエコツーリズムとも言える当時の「龜見」がどの様なスタイルで行われ、当時の産卵頭数、「龜見」の人がウミガメに及ぼした影響や対策などの詳細は判りませんでしたが、とても興味深いお話しです。
館長:平手康市

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〒779-2304徳島県海部郡美波町日和佐浦370-4うみがめ博物館カレッタ「質問係」

■Question
甲羅の無いウミガメはいますか?

■Answer
甲羅の無いウミガメはいません。ただ、皮ガメの別名を持つオサガメ(オサガメ科)は全身が皮でおおわれて、他のウミガメ(ウミガメ科)の様に鱗板がありませんので、甲羅が無いように見られるかもしれませんが、背中とお腹の皮の下には、甲羅の骨格があります。

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