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自治体の皆さまへ

うちのお医者さん[183]2025年問題ってご存じですか?

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徳島県阿波市

土成町吉田 医療法人ゆうあい会介護老人保健施設しょうか苑 新見明代(にいみあきよ)先生
2025年問題ってご存じですか?第二次世界大戦が終わった日本は安心して子作りができると人口がどっと増えました。この世代の人たちを団塊の世代と呼びます。この団塊の世代の人たちが後期高齢者、つまり75歳となるのが2025年です。
社会保障費が急増し、その財源は人口減少傾向の中で大変厳しいものとなっていきます。それが2025年問題と名付けられたもので、もう数カ月後に来ております。私のような高齢者医療にかかわるものは、政府の動きや高齢者を取り巻く事情に敏感にならざるを得ませんが、そうでない皆さまは、実際にご自分が困ったことにならないと気に留めることも少ないかもしれません。
高齢者になると仕事も若い頃のようにできなくなり収入が減ります。病気になることも介護が必要になるリスクも増えます。今までのように「国の社会保障制度のおかげでとても安く医療やサービスが受けられるので、安心して年がとれます」という時代が終わるということです。不安な老後が待っている世の中になってしまうのです。
団塊の世代の子どもたち、いわゆる団塊ジュニアの世代も2040年には後期高齢者への仲間入りです。まさにお先真っ暗なのです。国はお金をどこからか持ってくることも難しいので、その問題を地域でどうにかするよう言っています。高齢者が住み慣れた場所で安心して生活できるように、近くのいろいろな職種が連携して支えていってくださいね!という方針です。私たち医療や介護従事者も頑張っていますが、人手不足の業界なので限界があります。そこで皆さまにお願いです。今一度地域に目を向けてください。近所の高齢者の行動に気を向けてください。ご家族同士の関係も密にして助けられることは助けてあげましょう。助けてもらいたいことは相談できるようになりましょう。
「子どもは社会の宝なので地域ぐるみで守りましょう」の精神を高齢者にも持ってください。人生の先輩たちの功をねぎらって。明日は我が身なのですから。

このコーナーは阿波市医師会・阿波歯科医師会・板野歯科医師会のご好意により提供いただいた原稿を掲載しています。

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