■段々畑に「3つの太陽」が降り注ぐ全国でも珍しい南予の柑橘栽培
◇段々畑はこうして生まれた
リアス海岸の急傾斜に広がる段々畑…南予特有の柑橘園地の風景です。宇和海沿岸は古くから好漁場として知られ、江戸時代には宇和島藩や吉田藩がイワシ漁を奨励し、集落が生まれました。住民たちは漁を営みながら、生活に必要な芋や麦などを栽培するため、背後の急峻(きゅうしゅん)な傾斜地を開墾。最大傾斜角50度、最大高低差300mに達する傾斜地に農地を築き、半農半漁村を形成したという歴史的背景をもちます。
やがて農業は櫨(はぜ)、桑などの換金作物栽培へと移行。明治期以降、柑橘栽培が拡大するなかで、土壌流出と潮風害を防ぐ石積や防風林の設置、魚肥の活用など沿岸部ならではの工夫を施すようになり、日本有数の柑橘産地へと発展しました。こうして先人たちの壮絶な苦労により形成された美しい風景は「耕して天に至る美しい段々畑」と称えられ、現代の私たちに引き継がれているのです。
◇ここがスゴい!南予の柑橘
南予の柑橘栽培が発展した秘密は、「3つの太陽」と高い技術力。「空」「海」「石積」の3つの太陽という気象的な条件に加え、生産者たちの不断の努力により、多種多様で高品質な柑橘栽培を実現しています。それらを下支えしているのが、段々畑を守り伝え続けていこうとする地域の団結力。消費地から遠いという流通面で不利な状況を、集落ごとに生産者たちが強固に団結し、出荷量と品質を確保しています。愛媛県ではさまざまな柑橘を栽培しており、年中、柑橘を楽しむことができます。こんなにスゴい南予の柑橘を、もっと知ってください!
■世界農業遺産認定を目指す「愛媛・南予の柑橘農業システム」
◇世界に誇れる「愛媛の柑橘」に
「農業遺産」とは、独自性のある伝統的な農林水産業を営む地域を認定する制度のこと。国連食糧農業機関(FAO)が認定を行う「世界農業遺産」と、農林水産大臣が認定を行う「日本農業遺産」があります。
愛媛県では「愛媛・南予の柑橘農業システム」として、平成31年に日本農業遺産の認定を受けました。現在、地域一丸となって世界農業遺産の認定を目指しているところです。認定されれば、地域住民の自信と誇りが醸成されるとともに、南予が誇る柑橘類のさらなるブランド化や観光客誘致を通じた地域経済の活性化、担い手確保の取り組みが促進されるなどの効果が期待できます。また、他の認定地域との交流を通じ、農業遺産の保全や次世代への継承に向けた取り組みも。世界に誇れる「愛媛・南予の柑橘農業システム」をオール愛媛で応援しましょう!
■未来に伝えたい!愛媛の宝
えひめ農業遺産でなんかしようや!の会メンバー
愛媛大学3回生
鍋井 健弘(なべい たけひろ)さん
私たちは、愛媛の柑橘や農業遺産に関心のある社会人、学生、教員、農家さんがゆるやかにつながり、フィールドワークや勉強会を行う団体です。昨年から「京大農薬ゼミ」との交流も始まり、京都大学の大学祭で行われた「京大みかん万博」に愛媛大学生メンバーで参加してきました。愛媛、和歌山、静岡の三大産地から集めたみかんの食べ比べ、柑橘ジュースの飲み比べなど、ブースの人気は予想以上で、長い列ができるほど。「愛媛みかんがおいしい」との声もいただき、県民として誇らしくなりました。柑橘栽培は愛媛の農業遺産。未来へ受け継ぐために、皆さんも一緒になんかしようや~!
当会に興味のある方はInstagramからDMでご連絡ください!
■「愛媛・南予の柑橘農業システム」認知度アンケートでは…
まだまだ認知度が低いのが現状。世界遺産認定には、農業遺産や「愛媛・南予の柑橘農業システム」の認知度を県民全体で高めることが課題!
・もっと知ろう!「愛媛・南予の柑橘農業システム」
(※本紙二次元コード参照)
◇「農業遺産」を知っていますか?
◇「愛媛・南予の柑橘農業システム」を知っていますか?
※インターネット調査で県民に実施、期間…R5.10/2~31、回答数…1,204件
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◇公式Instagramで情報発信中!
愛媛県南予地域農業遺産推進協議会が南予の柑橘に関するさまざまな情報を発信。柑橘栽培の豆知識やトリビア、イベント情報のほか、素敵なプレゼントが当たるキャンペーンにも応募できます!
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◇「えひめ愛顔セレクション みかんジュースコンクール2023」開催
柑橘王国えひめの高品質な柑橘を使ったジュースは、もちろん県内外で高評価!なかでも県産の温州みかんのみを使用した果汁100%ストレートジュースのレベルの高さを競うコンクールが行われます。受賞したジュースの特別販売会も後日開催。
・コンクール 日時…2/4(日)
・特別販売会 日時…2/24(土)、場所:大街道商店街(予定)
問合せ:農政課
【電話】089-912-2514
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