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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■カンキツ類の新植苗木の管理
3月中旬頃に植え付けたカンキツ類の苗木は4月の中頃から発芽が始まり、5月頃にかけて芽が伸びてきます。ここまでくれば苗木も一安心といったところです。今回は、カンキツ類の新植苗木の管理について解説します。

◇1 苗木の活着
苗の芽が長く伸び始めれば一応、苗木は活着したといえます。旧葉の落葉が見られても幹の変色がなければそのうち発芽してきます。最悪なパターンは葉が付いたまま枯れてしまうと、ほぼ枯死する場合が多く、しばらく放置して様子を見ますが、幹の変色(黄色く生気が消失)が見られると枯れてしまいます。原因は、排水不良や肥料のやりすぎ、植え付け後の過乾燥などにより苗木の細根が枯れることが原因と考えられます。

◇2 定植後の苗木管理
(1)新芽の管理
苗木の新芽は、旧葉の基(もと)から数本発芽する場合が多く、新芽を充実させるため、5センチ程度伸びた頃によく伸びた新芽を1節1本に整理します。この時期の新芽は、上から下に軽く抑えると簡単に取ることができます。特に接ぎ木部付近の下位から発芽する新芽は全て除去します(写真1参照)。また、春先は新芽にアブラムシ類の寄生やケムシ類により食害されることがあるので、林地に近い園地などでは被害の発生に注意しましょう。

(2)管理のポイント
カンキツ苗木の定植後の注意点は以下のとおりです。

・接ぎ木部が地面よりも上になるように植え付る。
カンキツの苗木は一般的にカラタチに接ぎ木をしています。カラタチは根量(こんりょう)が多く、穏やかな生育をするため台木として古くから使われてきました。しかし、台木より上の穂(カンキツ品種)の部分が土に埋まると、穂から発根する場合があり、樹勢が旺盛となり、なかなか結実しなくなります。植え付け後も植穴の土の陥没などで埋まる場合があるので注意します。

・植え付け後の排水不良や過乾燥に注意。
苗木は根量が少なく、排水不良や過乾燥により根に影響が出やすく、潅水量や潅水頻度に注意し、株元周りに敷き藁や敷草を行うと適度な土壌水分の保持と抑草効果があります。

・苗木の施肥は少量多回数おこなう。
発根は6月頃から始まるため、この頃から月に一回、苗木1本あたり一握りの肥料を株元から少し離してふります。苗木を早く大きくしようと、肥料量を増やしたり株周りに堆肥を山盛りにすると苗が枯れることがあるのでやりすぎは禁物です。苗木を効率よく成長させるためには、6月以降に発生してくる夏芽を上手に育てていくことが重要です。春芽同様、1本に芽かきを行い、ミカンハモグリガ(エカキムシ)やアゲハチョウに葉を食べられないように、エクシレルSEなどの農薬を上手に使い、支柱を立てて長く伸ばすことで樹勢が旺盛になります。

※詳細は本紙をご覧ください。

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