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しまなみ農業だより

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愛媛県上島町

■畑作除草剤の特性と使用上の注意
初夏を迎え、夏草の繁茂する時期となり、畑回りなどは草刈機で除草しますが、畑は除草剤に頼ることが多くなります。最近は少水量で省力散布除草剤による雑草対策が主体になっています。除草剤をかけたのに枯れない草がある、再生が早いなどの意見が聞かれます。酷暑でも生えてくる雑草をどうにかしたい、今回は除草剤について解説します。

◇1 除草剤の分類と特性
除草剤はいくつかのグループに分類されます。用途に応じて、「農耕地用」と「非農耕地用」に大別され、畑で使用できるのは「農耕地用」に限られるので「非農耕地用」除草剤を畑にまくことはできません。また、効果により、草種に関係なく枯らす「非選択性」、植物の種類を選択して枯らす「選択性」除草剤に分けることもあります。使用方法により「茎葉処理接触型」、「茎葉処理移行型」「土壌処理型」にも分類でき、薬が接触した部分だけ枯らす「接触型」はバスタ液剤など、茎や葉から吸収した成分が根に移行して枯らす「移行型」はラウンドアップ系など、土の表面にある農薬成分により雑草の種を発芽させなくする「土壌処理型」は、ゴーゴーサン乳剤などが代表的な除草剤となります。製剤別には、水で所定の倍数に溶かして散布する液剤タイプが主流ですが雑草種(1年生や多年生など)に応じて倍数が異なります。「土壌処理型」は生えた雑草には効果がないので使用時期に注意します。最近、ドラッグストアーなどでも手軽にまける粒剤タイプや希釈が省略できるシャワータイプの商品なども市販されていますが、撒きたい場所により「農耕地用」か「非農耕地用」を確認して購入してください。

◇2 除草剤の使用上の注意
(1)除草剤は専用の散布器具を決めて使いましょう。
除草剤は極少量でも作物に悪影響を及ぼすことあるので、専用の散布器具を決めて使うことをお勧めします。散布器具の洗浄をしっかりしたつもりでも微量の除草剤成分が残っている場合があり、一般農薬の散布に使用して葉の縮れや成長不良などの薬害を発生することがあるので注意します。

(2)万能な除草剤はない
除草剤の種類は豊富にありますが全草種に効果がある訳ではなく、枯れにくい草種もあります。例えば、ラウンドアップマックスロードは、少水量で根まで枯らす安定した効果のある除草剤ですが、草種によりオヒシバ、オアレチノギク、マルバツユクサ(写真)などには十分な殺草効果がありません。抵抗性の発達した雑草、作用点が異なりもともと効果が低い草種、外来雑草でその傾向が強いことが観察されています。
※写真は本紙をご覧ください。

(3)除草剤により散布水量が異なります。
「接触型」と「移行型」の除草剤では、散布水量が異なります。「接触型」は、むらなくかからないと効果が発揮できないので100~150ℓ/10aの水量が必要です。最近では専用の噴霧口を使用することで少水量の散布も可能になってきました。一方、「移行型」の除草剤は専用噴霧口を使用することで5ℓ~25ℓ/10aの少水量の散布が可能になりました。専用噴霧口は動力と人力で異なるので注意してください。

(4)同一効果の除草剤の連用に注意
同一の除草剤の連用により、どうしても枯れにくい雑草が残ってきます。「茎葉処理移行型」除草剤と「接触型」除草剤の輪番散布や「接触型」に「土壌処理」除草剤の混用散布で長期の抑草効果が期待できる組み合わせもあります。背負い噴霧器で「移行型」除草剤の少量散布が主流のなかで、水量が必要な「接触型」除草剤の使用は難しい面もありますが、ツユクサやオヒシバなどが優先している畑では一度、組み込むことで除草効果の向上が期待できます。また、散布時期も重要で、草種で成長時期が異なるため、夏草の最盛期に種が落ち始める前には除草を完了したいものです。

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