■小さくてもカブトムシ
もうすぐ夏の主役、カブトムシが現れる季節。大きな体に立派な角を持つ本種ですが、実は県内にはもう一種カブトムシの仲間がいます。その名はコカブト。その名のとおり体長2cm程で、角も非常に小さいため、一見カブトムシには見えません。日本全国に分布し、クヌギなどの広葉樹が生えた林に生息しますが、樹液にはほとんど集まりません。では、一体何を食べているのでしょう?なんとこの虫、他の昆虫やその死がいを食べる肉食性。飼育下では鳥肉や魚肉ソーセージも食べます。卵から2か月ほどで成虫まで育ち、1年以上生きることもカブトムシとは異なります。
よく見るとカッコいいコカブト、実は生息環境が減少し、2020年の愛媛県レッドリストでは準絶滅危惧種に指定されました。久万高原町ではもともと記録が少なく、坂瀬渓(面河:大成)での記録があります。なかなか目にする機会がない本種ですが、もしかすると、人知れず身近な山の中に生息しているかもしれません。明かりに飛んでくることもあるため、ぜひ探してみてください。(安田)
▽学芸員のつぶやき
来月から始まる特別展「真・カブトムシ」では、大きい方のカブトムシについて、近年明らかになった生態のほか、歴史や芸術、工学などさまざまな分野から紹介します。コカブトも生体展示できるように、頑張って探します。
問い合わせ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/
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