■帯状疱疹(たいじょうほうしん)と帯状疱疹ワクチンについて
今治市医師会 村上慎一郎
帯状疱疹について皆さんはどのくらいご存じでしょうか?
帯状疱疹はウイルスによって起こりますが、実は水疱瘡(みずぼうそう)と同じウイルスです。子供の頃に全身に赤い水ぶくれができて辛い、あの水疱瘡です。2014年から子供への予防接種が定期接種になったので、今のお子さんたちはかかっていない子供の方が多いかもしれません。しかし、大人の場合はほとんどの方が小さい頃に水疱瘡にかかっており、20歳以上の方は90%以上の方が、55歳以上になるとなんと100%の方が過去に感染しています。
このウイルスは治ったと思っても実は神経の奥に潜んで消えずに残っています。これが何かの拍子に免疫力が落ちたときに再び表に出てくる、それが帯状疱疹です。出てくるときは神経に沿って、身体の右か左かどちらか半分に、帯のように出てきます。赤い水ぶくれができ、神経を傷つけるのでビリビリと痛みます。困ったことにこの痛みがいつまでも長く残ることがあり、帯状疱疹後神経痛と言われます。また、顔面に出ると眼や耳、顔面神経などのトラブルを起こすこともあります。
帯状疱疹後神経痛を含めた合併症は、帯状疱疹になってからでは防ぐことが難しいため、帯状疱疹にならないことが重要です。2020年から日本でも新しいワクチン(不活化ワクチン)が使えるようになっており、50歳以上の方が対象です。予防効果は非常に高く、帯状疱疹の発症を9割防ぐことができ、長期間効果は持続すると言われています。
大人の受ける予防接種の中でもとてもお勧めの予防接種ですので、50歳以上の方は一度ご検討してみてください。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。
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