■心不全でも運動は大切です
今治市医師会 越智耕平
一昔前は、心臓に病気がある人は安静にすることが勧められてきました。しかし、過度の安静は身体機能の低下をもたらし寿命が短くなるため、適度な身体活動や運動習慣が心不全発症の予防につながることがわかっています。現在では、ほとんどの心不全の患者さんに対して適度な運動が勧められています。
1週間に3回くらいの頻度で、1回あたり20~60分程度で良いです。最初は少ない運動量・運動時間から始め、慣れてきたら徐々に強度や時間を延ばすのも良いでしょう。
心臓に負担をかけない軽めの運動が好ましく、ウオーキングやサイクリングなどの有酸素運動が適しています。ご自身で「きつい」と感じない程度が最適です。
運動の際の注意点として、
・空腹時や食後1~2時間以内は避けましょう。
・夏季は涼しい時間帯や場所を選び、熱中症に注意しましょう。
・冬季は防寒をしっかり行いましょう。
・転倒予防のため、かかとのある靴を履きましょう。
・整形外科の病気がある方は医師と相談しましょう。
急な体重増加(3日間で2キロ以上)や、むくみ、息苦しさ、疲れやすい、食欲がないなどの心不全悪化が疑われる場合は、運動はせずに主治医に相談しましょう。
以上簡単に述べましたが、すべての心不全患者さんに当てはまることでもないので、ご自身が心不全であるかどうか、どの程度の運動が勧められるかなどの疑問は医師に相談しましょう。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。
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