■痛みの少ない新たな傷の処置法
今治市医師会
泉 俊男
皆さんはけがをされた時どうされているでしょうか。ちょっとした切り傷や擦り傷は、ご自宅で処置をされることも多いでしょう。
昔は「傷はぬらしてはいけない」「傷は乾かしてカサブタができて治る」「傷は消毒しないといけない」などと言われ、今もそれに従って処置をされる方もおられるでしょう。しかし、最近は「傷はぬらしてはいけないことはない」「傷は乾かさずカサブタができないように処置をしたほうが痛みも少なくきれいに治る」「傷は消毒すべきではない」といわれています。
けがをされた時、血が出ているときはまず新しいガーゼや、きれいなタオルで傷を圧迫止血します。次に水道水でできる限りきれいに洗い、きれいなガーゼやタオルで拭き取ります。その際、血が出てきたら改めて圧迫止血します。その後、市販されている創傷被覆材(そうしょうひふくざい)(ドラッグストアで購入可能)で覆います。これは一日一回交換し、その都度傷の状態を確認し水道水でやさしく洗い、創の辺縁から皮膚が再生してきていたらOKで、こんなふうに経過する場合は痛みも弱くなっていきます。浅い切り傷や擦り傷なら1週間程度できれいに治ると思います。ただし表面が汚れてきたり、痛みが強くなってきたときは医療機関を受診してください。
さらに深い創、血が止まらない創、ガラス片、小石や木片などが取れない傷、動物に噛まれたり、洗ってもきれいにならない傷はご自宅で処置せず医療機関を受診してください。
※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。
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