文字サイズ
自治体の皆さまへ

〔特集〕海が見える街~アマモを守る~(1)

1/47

愛媛県今治市

■海はみんなの“宝もの”ルールとマナーを守って、楽しく夏の海を遊ぼう!
今治は海と共にあります。村上海賊がいた歴史、多島美を有する景観、海事都市に至る産業。これほどまでに海が地域の発展を支えていることは珍しいと言えるでしょう。皆さんは今治の海にどれくらい触れ合う機会がありますか。当たり前にそこにある海を、見つめなおしませんか。

◇主な海水浴スポット
※詳しくは、本紙またはPDF版を参照してください。

《海のゆりかご アマモ》
恵みある海の環境を守り、未来につないでいく取り組みの一つとして、今治市は地域団体やNPO法人と連携して“アマモ”の保全に取り組んでいます。アマモの存在は昨今のSDGsの観点からも注目を集めており、全国的に保全活動が広がっています。

◇アマモはどんな生き物?
海に生える植物「海草」。ワカメなどの藻類「海藻」とは別の生き物です。浅い砂地に分布し、アマモ場は多くの生き物の隠れ家・餌場・産卵場になります。まさに「海のゆりかご」です。また植物なので、花が咲き、種が採取できます。

◇どうしてSDGsで注目されるの?
アマモは海中で活発に光合成し、海中の二酸化炭素(CO2)を吸収して酸素(O2)を放出し炭素(C)を取り込みます。その分、空気中のCO2が海に溶け込めるようになり、空気中からCO2が減少します。炭素を自分の体の一部にしたアマモは、枯れると海底に溜まります。つまり、CO2を吸収して減らし、海底に炭素を溜めることができるのです。
陸上の森林が固定する炭素を「グリーンカーボン」と呼ぶのに対して、海中に固定される炭素のことを「ブルーカーボン」と呼びます。ブルーカーボンは貯留されやすく、長期的・安定的な温室効果削減が期待されています。そのブルーカーボンを作る主要な生態系が、アマモ場なのです。

◇今治ではどこに分布しているの?
特に群生しているのが、吉海町の幸港(さいわいこう)です。港内の8,000平方メートル(サッカーコートより一回り大きい面積)の範囲に、最大約1メートルの高さまで成長しています。

次ぺージ(本紙参照)から外部団体と連携して取り組む、アマモの保全活動を紹介します。

《桜井地区海を守る会との取り組み》
桜井地区の環境保全や地域資源の維持・回復を目指して、平成31年から活動しています。
地元の方によると、以前は足にからまりつくほどアマモが生えていたとのことです。桜井漁港や志島ヶ原海岸では、吉海の幸港から採取したアマモの種を、生育できそうなポイントに潜って植えつけたり、海岸線から種をまいたりして、新たなアマモ場を作る試みを続けています。この活動は桜井小学校・中学校の生徒にも協力してもらい、環境学習とともにアマモの種採りや容器づくり、種まきを一緒に行っています。
また、陸上で栽培してある程度の大きさになったアマモ株を移植する試みも昨年度から始まりました。
令和6年6月の潜水調査では、株を移植したポイントでアマモ場の形成が始まっていることが確認できました。また、種まきをした付近でもアマモの分布が見られ、流れが緩やかな内港では比較的大きなアマモ場も形成されてたことが今回の調査で初めて確認されました。これまでの地道な活動が成果を現しつつあります。

・1960年から1990年までの30年間で瀬戸内海のアマモ場は70%減少しています。

※水産庁調査による

◇アマモ育成調査ポイント
※詳しくは、本紙またはPDF版を参照してください。
引き続きアマモ保全を通じた環境学習を行っていくとともに、アマモ場の形成について詳しく調査していきます。

◇アマモ繁殖までの年間スケジュール
5~6月 幸港でアマモの流れ株採取
7月 種採り
11月~ 陸上での試験栽培/種まき
2月 陸上栽培株を移植

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU