■「地域の伝統文化に見る差別と人権」から学んだこと
千丈小学校 松本 勇人
令和6年度7月の推進者研修会は、「地域の伝統文化に見る差別と人権」と題して、愛媛大学大本敬久准教授による講演が行われた。
亥の子は、自分も子どものころについていた。亥の子歌は今でもほぼ覚えている。今は子どものころに住んでいた町とは違う町に住んでいるのだが、亥の子歌が微妙に違う気がする。場所によって違うものなのか、時代とともに変わったのか。節分の厄落としは、今でも行っている。よもや自分のテリトリーから災厄を「外」に追い払うためのものだったとは。そういえば、「鬼は外」。
「仏教思想とハンセン病」については、感染力の極めて弱いハンセン病が「業病(ごうびょう)」とされた背景に仏教思想が関与している点について、説明があった。人を救済するはずの仏教の経典に、どうしてハンセン病への差別につながる一文があるのか。人生を今現在だけでなく、前世、現世、来世にわたる因縁化で見る思想から来るものかとも思われたが、それが、長きにわたるハンセン病患者への差別にもつながったと考えると、釈然としない気持ちになった。四国遍路との関係についても説明があった。特に、お接待の風習、遍路墓の供養については、心に響くものがあった。
それぞれの地域で、伝統文化は、あるものはそのままの形で、あるものは形を変えながら、受け継がれてきている。今回、その中のいくつかについて、詳しく教えていただき学ぶことができた。納得できるものもあれば、そうでないものもあった。それらすべてを受け入れ、地域について知り、未来につなげていくのが、今を生きる私たちの務めなのかもしれない。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>