■意識で変える交通安全のまち
春の全国交通安全運動に合わせて、町内でもさまざまな取り組みが行われました。一つ一つの地道な活動の積み重ねが、町の皆さんの意識を高めることにつながっています。内子交通安全協会会長の宮脇邦夫さんに、活動で大切にしていることを聞きました。
◆人の輪作戦・交通茶屋
ドライバーに安全運転を呼びかける「人の輪作戦・交通茶屋」が4月11日、内子交番前で開かれました。春の全国交通安全運動期間に合わせて毎年実施しているもので、交通安全協会や安全運転管理者協議会など各団体の会員らが参加。ドライバーに「交通安全にご協力を」と啓発グッズを手渡しました。
◆交通安全教室を小中学校で実施
町内の各小・中学校で交通安全教室が開かれました。4月12日には大瀬中学校で実施。生徒らは自転車と徒歩のグループに分かれて、大洲警察署員や交通安全協会会員の指導を受けながら、国道から商店街を通るルートで、道路を横断するときの注意点などを確認しました。また自転車のヘルメットの正しい着用法を教わるなどして、交通安全への意識を高めました。
○地道な活動はきっとまちづくりの一助になる
内子交通安全協会
会長 宮脇 邦夫(くにお)さん
40年以上前から交通安全協会の活動を始め、昨年からは会長をしています。各支部では立ち番の他にも、交通安全教室や祈願祭など、皆さんがアイデアを出し合い、熱心に活動を続けています。「事故を起こしてはいけない」という啓発は、地道に続けていくしかありません。私たちの活動が、まちの皆さんの交通安全への意識付けになればと思っています。私のいる天神地区では、龍宮トンネルが開通してから交通量が多くなりました。通りには交通安全の作品を並べて「標語と絵画のいたわり通り」と名付けました。幼稚園児や小学生、老人会の皆さんに考えてもらった、心に響くいい言葉と絵がたくさん。まるで守り神のようです。
会員の願いは、事故のない日々がずっと続いていくこと。それでも想定していないことが起きるのが交通事故。だからこそ小さな積み重ねで、普段の意識を高めていくことが大切だと思います。活動はきっと、まちづくりの一助になるはず――。皆さんもぜひ協力してもらえるとうれしいです。
■小さな行動が守る地域の宝
交通安全の立ち番で、登校中の子どもたちや行き交う車に目をやる池永壽子さん。内子交通安全協会で長く活動を続ける一人です。「地域の安全は、自分たちで守る」という池永さんの言葉から、子どもたちを優しく見守る温かさが伝わってきます――。
内子交通安全協会
池永 壽子(としこ)さん[内子7]
◆長年の活動を続けて
結婚を機に大阪から内子に帰ってきました。婦人部の知り合いに「何もしなくていいから」と頼まれたのがきっかけで活動を始め、はや50年――。日々、協会の知名度をもっと上げたいと思いながら頑張っています。協会全体を見ると役員のなり手不足で、私も含め、何十年もやっている人もいます。でもいろいろな人との付き合いも長くなるので、それは楽しさの一つかもしれませんね。
◆相手を思いやった行動を
交通整理って、素人には意外と難しいんですよ。360度、周りに目を光らせないといけないし、その場に応じて判断が必要。今でもここらでは私が一番上手かもしれませんね(笑)。覚えるには現場に出て経験を積むしかありません。それができたのも送り迎えをしてくれる旦那や、声をかけてくれる地域の皆さんの支えのおかげです。私が立っているのを見た人が「気を付けないといけないな」と思ってくれたらそれでいい。それに仲間が「池永さん、おってよ」と言ってくれるのもうれしいです。だから老骨にむち打って、体が動くうちは立ち番を続けたいですね。人の命に関わることだし、自分も恐い思いをすることがあるので、続けるのは大変です。それでも自分ができることは精一杯やっているつもりです。あれがよかった、これはだめだったとか思わず、何事も相手の身になって考えることが大切だと思います。皆さんも自分や家族のことを思えば、相手を思いやった優しい行動ができるはず――。近頃は横断歩道で止まってくれる車も増えました。そんな優しい気持ちを、すべての人に持ってもらえたら、きっと事故はなくなるんじゃないでしょうか。
◆小さな行動が守る安全
普段も自宅の近くの交差点で小学生を見送り、「車が止まってから行くんよ」と声かけをしています。私以外にも、商店街でも自主的に見守ってくれている人がいます。小さな行動かもしれないけれど、その一つ一つが交通安全につながって、子どもたちを守っているんです。「警察が守ってくれるのが当たり前」と思っていてはいけません。自分たちの地域の安全は、みんなで守るという気持ちが大切です。子どもは地域の宝。地域みんなで、見守っていけたらいいですね。
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