木造延命地蔵菩薩(えんめいじぞうぼさつ)座像
大洲市指定有形文化財(彫刻)
中居地区所有
この木像は河辺町の中居地区を見下ろす大師堂に祭られている像高82.9cmの仏像です。半眼の穏やかな面相で、制作年などの記録はありませんが、全体のつくりや顔の表情などから18世紀ごろに制作されたものと考えられています。
延命地蔵の本来の特徴は、蓮華座(れんげざ)上に右膝を曲げ、左足を垂らして座り、右手で錫杖(しゃくじょう)を握り、左手の手のひらに宝珠(ほうじゅ)を載せた姿ですが、本像は残念ながら錫杖と宝珠は現存していません。岩座(いわくら)(岩の形をした台座)を除いて、像の表面は漆を塗り金箔を貼る漆箔(しっぱく)の技法が使われています。
この大師堂は「大洲藩主の御祈禱(きとう)所」だったとも伝えられており、それを裏付けるように大洲藩の定紋(じょうもん)である蛇の目紋つきの香炉が現存しています。
(昭和54年9月14日指定)
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