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(特集)地域と支え合う。「長高」のいま(1)

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愛媛県大洲市

長浜高等学校は今年で創立86周年を迎える

「志願倍率1.05」――今年2月に発表された県立高校入学志願者数で県内でも数少ない定員を超える志願者数となった長浜高校。4月からは「長高水族館」が近隣の長浜保健センターへ移転。さらに活気づく同校のいまについて取材しました。

■危機を乗り越えて
◇「あと1年」で分校に
長浜高校は一学年の定員が60人の小規模な高校ですが、少子化と進路選択の多様化により定員を下回る期間が続き、令和2年度と3年度の入学者数は40人を割ってしまいます。県は「入学者40人以下が3年間続けば分校化の対象に」という方針を打ち出していて、これまで単年で40人以下となることはありましたが、今回は2年連続。
このままでは分校、そしてその先には高校自体が地域からなくなってしまうのでは…という懸念が広がりました。

〇入学者の推移(令和3年度まで)

このままでは分校化の対象に

◇学校が動く。生徒が動く。
この危機に学校はもちろん、生徒たちも動きます。
長浜高校は生徒の募集を全国へと広げようと、地域留学の募集サイトで全国で唯一、水族館部のある高校として特色をPRし、オープンスクールも開催しました。
ここで主体となって活動したのが生徒たち。水族館部員を中心にSNSでの情報発信や説明会での案内役をこなし、オープンスクールでは地元外への進学に不安を抱く中学生に対して、兄や姉のように相談に乗りました。
また、大洲市も県外や遠隔地からの入学者に対して下宿費や準備費用を助成する「長浜高等学校生徒応援事業費補助金制度」を創設し、保護者の負担軽減を図るなどの応援体制を整えました。

・説明会には全国から多くの中学生や保護者が詰めかける
・オンラインの説明も生徒自身で行う

〇入学者の推移(平成31年度から)

オレンジ色の部分が県外から進学した生徒の数。
いまや全校生徒の30%ちかくが県外出身者。

◇全国から「長高」へ
その結果、正念場となった令和4年度の入学者数は、県外からの進学生11人を含む57人と定員に近い生徒を迎え入れることとなります。分校化を免れた長浜高校ですが、生徒達はそれに安心せず自ら情報発信を続けます。
長浜地域での高校生活を4コマ漫画で紹介する「長浜すく~るらいふ」の連載や遠距離の人へのオンライン水族館などさまざまな方法を試みることで、さらに注目を集めることに成功。
そして令和5年度は52人、続く今年度は59人と北は北海道から南は沖縄県まで全国各地から若者たちが長浜高校の門をくぐることとなったのです。

■長高水族館の歴史
長浜高校の大きな魅力である長高水族館は、昭和60年まで長浜地域にあった長浜水族館の復活を願う地域活動のメイン事業として平成11年に始まりました。母体となった自然科学部(平成23年から水族館部)は教室を利用して水槽を設置し、自分たちの手で近くの海から魚を集めながら少しずつその活動を広げていき、現在では150種2,000点以上の生き物を展示する規模になりました。また当初から飼育だけではなくさまざまな研究も同時に行い、素晴らしい成果を上げています。

・生物教室に展示していた初期の水族館
・世界的な研究コンクール「ISEF2015」に日本代表として出場

※詳しくは本紙をご参照ください

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