かつて銅山開発により荒廃した別子銅山は、住友の長年にわたる植林事業で緑豊かな自然が回復しました。そんな別子の山を舞台に、株式会社資生堂のスキンandマインドブランド「BAUM(バウム)」が、「樹木の恵みを受け取るだけではなく、自然に還していく」というブランドの哲学に基づいた植樹活動を開始しました。
◆Chapter1 銅山の発展と環境問題
元禄4(1691)年に開坑した別子銅山。7年後には、江戸期における産銅量のピークを迎えます。当時、日本の銅輸出量は世界一を誇り、別子銅山はその約4分の1を占めました。
明治期には、西洋の技術を積極的に導入し、最先端の採鉱・製錬設備や鉱山鉄道の建設など急速な近代化を遂げ、世界有数の銅山へ成長しました。
しかし、発展の陰で、製錬の燃料にするための木々の伐採や、排出される煙によって植物が枯れたことで、山が荒廃する環境問題が発生しました。
◆Chapter2 大規模植林と自然の回復
荒れた山を見た伊庭貞剛(いばていごう)(住友2代総理事)は、山を元の青々とした姿に戻し大自然に返さなければならないと決意します。大造林計画を作成し、年間100万本以上の植林を実施しました。伊庭の退任後もその意志は引き継がれ、多い年には250万本に迫る植林が行われました。100年を超える取り組みの結果、別子の山は緑豊かな姿を取り戻しました。
植林事業は、植樹や伐採・資源化を循環して行う事業へ発展し、現在の住友林業株式会社の持続可能な事業へつながっています。
◆Chapter3 植樹がつないだ縁
株式会社資生堂のブランドBAUMは、「樹木との共生」をテーマに掲げています。樹木を素材に商品を開発する一方で、住友林業の協力を受けながら苗木の育成・植樹を行っています。
BAUMが、商品の原料に四国産ひのきを使用すると同時に四国での植樹を行う循環型の取り組みを企画。対象地には、住友林業が新居浜市有林の整備をしていること、新居浜市との歴史的つながりがあることなどから、本市が選ばれました。
今年1月には三者で環境保全活動に関する協定を締結し、森林資源の循環に向けて稼働を開始しました。
◆Chapter4 BAUMひのきの森
別子山の市有林の一部を「BAUMひのきの森」とし、資生堂・住友林業によって、今後10年かけて、ひのきの植樹・育林が行われます。
第1回目の植樹作業が5月24日に行われ、600本の苗木を植樹しました。
◆Chapter5 未来へつなぐ苗木
かつて住友により100年以上先を見据えて植えられた苗木は、現在に青々とした自然や林業の事業などをつないでくれました。
BAUMひのきの森に植えられる苗木が、数十年先の未来へどのようにつながっていくのか、期待に胸が膨らみます。
問合せ:農林水産課
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