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【特集】山が呼んでいる〜石鎚山系とともに生きていく〜(1)

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愛媛県西条市

窓を開ければ、雄大に佇(たたず)む石鎚山系。今回の特集では、山々を守り、その魅力を伝える人々に迫ります。この素晴らしい自然を少しでも身近に感じ、足を運んでみてください。

■まちの背後にそびえるシンボル
日本百名山の一つに数えられ、西日本最高峰の石鎚山を中心に、愛媛県と高知県の県境に沿って東西約60kmに広がる石鎚山系。標高1500m以上の山々が20座以上も連なる豊かな自然に恵まれ、素晴らしい景観を見せてくれます。登山やサイクリングなど、さまざまなアクティビティを楽しみに、年間を通じてたくさんの人が訪れています。
多くの人々に愛されている石鎚山系ですが、その背景には草刈りや登山道修繕のほか、希少植物の保護、獣害対策、施設の維持管理など多くのボランティア団体が取り組み、活動しています。維持管理には多くの人手やお金が必要ですが、ボランティアの高齢化、寄付金の減少など課題は山積み。娯楽の多様化などによって自然に触れる機会が減り、西条市に住んでいても関心がない、行ったことがない方が増えているという声も聞かれます。
身近にある素晴らしい自然に触れて、楽しんでみてほしい。これからも人々に愛されるふるさとの山であってほしい。そんな思いで活動を続けている人たちのおかげで、私たちは石鎚山系の自然を存分に楽しむことができるのです。

■石鎚山系公式WEBサイト
石鎚山系の解説からアクティビティなど、幅広い情報を掲載しています。
山系を知るなら、ここをチェック!
※二次元コードは本紙P.3をご覧ください。

【自然を楽しむ。その先に】
本格的な登山シーズンを迎え、多くの人が訪れる石鎚山系。雄大な自然の中で登山を楽しめる環境の裏には、石鎚を愛する人たちの並々ならぬ努力がありました。

NPO法人山のボランティアNetwork 事務局長
渡辺 二孝(にたか)さん
今治市在住。69歳。メンバー24人を率いる。27歳のとき、妻と登った冬の石鎚山の幻想的な風景に魅了される。それ以来全国の山々を登りながら、石鎚山系などで登山道整備や自然保護活動を続けている

▼山好きたちで山を守る
全国的に山での遭難事故が相次いだ1998年ころ。石鎚山系も例外ではなく、地元の登山愛好家たちは危機感を抱いていました。「標識の方向がずれていたり、道が荒れていたりすると遭難につながります。瓶ケ森の白石小屋に集まりよる人らが中心になって、地図に載っている道は自分らが整備していかないかんということで、山のボランティアNetworkが結成されました」。
25年前から続く春と秋の登山道整備は、今年で47回目を数え、石鎚山の二の鎖元にある公衆トイレ休憩所の維持管理、土小屋テラスでの登山情報の提供や安全登山指導なども行います。「トイレの維持管理は週2回、メンバーが入れ替わりで山に登り行っています。し尿を分解するバイオトイレですが、トイレットペーパーは分解できず一緒に捨てられないため、分別された紙は全て私たちが持って帰ります。トイレ・休憩所の掃除や備品の補充、施設の傷み具合の報告など、日本一美しい山のトイレを目指して取り組んでいます」。何気なく歩いている登山道や誰もが使う山のトイレは、こういった人たちの積み重ねのおかげで、快適に使うことができるのです。

▼活動を次の世代へ
年2回の登山道整備には毎回50人ほどが集まりますが、整備できるエリアはごく一部。「石鎚山系は広い。他の団体や行政とも連携しながら活動を進める必要があります。一つ核となる団体を作って、手をつないでいけたらという思いから、昨年NPO法人化。活動が途絶えないよう、後継者へバトン渡したい」と大好きな山を守っていくための展望を語ります。
登山道整備の参加者からは、「普段自分が歩きよるところは、こうやって維持されよんやね。すごく新鮮で気持ちがいい」、そんな声が聞かれるそうです。「登山道整備は自然に親しむきっかけにも。山頂に立つ爽快感だけでなく、花や鳥を見たり、ブナ林の中を歩いたり、せっかくの石鎚山系の自然を楽しんでほしい。ぜひ一度参加してほしいと思います」。まずは関心を持って自然に触れて楽しんでみる。そうする内に、自然を守るという意識につながっていくと渡辺さんは教えてくれました。

▽石鎚山のきれいな環境をみんなで守ろう!
石鎚山の快適な登山環境の整備には、毎年多額の費用が必要です。活動資金の7割を占める皆さんからのトイレ利用協力金(トイレチップ)や寄付金が年々減少傾向にあり、維持管理が難しくなっています。皆さんに長く愛される石鎚山であるために、環境保全応援団への加入(ご寄付)やトイレチップのご協力をお願いします。

●整備・環境保全に使われます
・二ノ鎖下にある石鎚山公衆トイレ休憩所の維持管理
・土小屋登山ルートの修繕
・登山利用者へのマナー啓発

●環境保全応援団へ加入(ご寄付)
・企業・団体 一口3万円(1年)
・個人 一口1万円(1年)
※加入者にはトイレクーポン券(12枚綴り)の返礼あり
※申し込みの二次元コードは本紙P.5をご覧ください。

●トイレを使ったらチップを!
利用の際は協力金100円をお願いします。

問合せ:石鎚山クリーンアップ協議会事務局(市庁舎新館2階 観光振興課内)
【電話】0897-52-1690
【Eメール】kanko@saijo-city.jp

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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