■自分らで介護予防。つながるだけで楽しい
毎週金曜日、丹原町中川地区にある来見集会所を覗くと、60代~90代の皆さんの生き生きとした姿が見られます。
その元気の秘訣を教えてもらいました。
◇来見にある「幸せ」な集まり
「元気にしとった?」「久しぶり。よー来たね」。毎週金曜日の10時前に集まってくる地域住民グループ「あじさい」の皆さん。約20人のメンバーが毎月第3金曜日に高齢者カフェ、それ以外の金曜日はいきいき百歳体操教室を実施しています。
「1・2・3!」。体操中、ひときわ大きな声でリーダーシップを取るのはグループ立ち上げ当初から携わる木村チヨ子さん(本紙表紙右上)。「グループを2018年に立ち上げていきいき百歳体操を、2年前からは包括支援センターの方からの話があって、高齢者カフェを始めました。初めは月1回くらいやったらええと思ったんじゃけど、みんなが毎週金曜にしよやしよやって。80代がほとんどじゃけど、みんな元気よ」。いきいき百歳体操はDVDを見ながら1時間ほど運動を、高齢者カフェは毎月テーマを変えながら、ゲームや体操などを行います。また、ここでは「高齢者カフェ」を「幸齢者カフェ」という名前に変えて、開催。「みんなの『幸せ』を願ってね。全員が心から楽しめることを包括支援センターの職員と一緒に考えています」。
◇笑顔の先にあるもの
参加者の楽しみの一つが帰り際に配られるお弁当。「世話をしてくれる人が私を含めて5人おってね。毎週始まる前に、お弁当やデザートを作りよる。これが皆さんの楽しみでね、ちなみに一番人気は夏カレーやった」と木村さん。この集まりがマンネリ化しないように、そして毎週来てもらえるよう、工夫や努力を欠かしません。そして運営や世話をする人も「楽しむ」ことが活動を続けていくコツだと木村さんは教えてくれました。
「メンバーの9割が旦那さんがいない。家ではひとり。だからみんなで集まって好きなこと話して、みんな仲良くなって。そしたらほかの人も誘ってね。そうやってつながりが増えていく」。金曜日になったらみんなに会える。それが皆さんの生きがい、楽しみの一つになっています。「笑うことが元気でおれる秘訣。男性の参加が少ないという課題もあるけど、私らが元気でおることが、自治会やほかの活動にも生きてくる。『来見地区は元気じゃね』って思ってもらえる地域にしたい」。集まって、つながって、楽しい。一歩踏み出せば、まだ知らない地域の輪が広がり、支えとなるかもしれません。
《いきいき百歳体操》
対象:おおむね65歳以上の方で以下の条件を満たす方
・半年以内に脳卒中、心筋梗塞を発症していない方
・医師に運動を止められていない方
実施場所:公民館や集会所など、市内76カ所
《高齢者カフェ》
地域の方と気軽にふれあえる場所として、各地区で開催しています。
日時:月1回 2時間程度
※各場所によって曜日など異なります
実施場所:市内25カ所
内容:体操や手芸、脳トレ・ゲームなどのレクリエーション
参加希望の方はお近くの地域包括支援センターへ!
新しいグループの立ち上げも大歓迎です
■「つながり」「支え合い」が自分らしく生きるコツ
老後の深刻な問題としてあげられる「認知症」。市内では認知症に対する「思い」を共有する場所として、市内6カ所で認知症カフェを開催。
カフェには当事者だけでなく、その家族など支える人の笑顔もありました。
地域包括支援センター西条西部・小松
・渡部 幸生(ゆきお)さん(センター長)
・佐伯 理江(りえ)さん(生活支援コーディネーター)
◇思いやりの気持ちをみんなで育む
私たちが開催する認知症カフェは「つばきカフェ」という名前で開催。毎月開催するカフェには市内から約20人、当事者とその家族や、認知症への理解を深めたい方などが参加しています。認知症カフェと言うと、全員が忘れっぽいなど、悪いイメージを持つ人もいるかもしれません。しかしカフェではイベントなどをして、「認知症になっても楽しく生活できる」「次も行こう」そう思える場を目指して活動中です。参加者にはざっくばらんに悩みを語ってくれる人が多く、気軽に参加できる場所になっていると思います。
いつも参加していると認知症への理解も深まって、新しく来た人に教えてあげるなど、私たちが何かをするだけじゃなく、参加者同士で情報交換をする場面も。新しい輪やつながりができて、ほかの公民館活動に参加してみるなど、新たな世界もひらけます。
こういうカフェなど集まれる場所があることを知っているのと知らないのとでは全然違います。当事者も、支える人も、出掛けたり話したりして自分の気持ちを伝えることが大切です。私たちも全力でサポートしますよ!
《参加者インタビュー》
・過去に数十年間介護をしていて、介護の大変さを知りました。認知症カフェでは相談もできるので、介護が忙しくて、なかなか出掛けられない友人に声を掛け、一緒に参加してもらいました。職員が悩みに寄り添ってくれて、解決につなげてくれました。
・公民館活動をしているときに、認知症カフェのことを知りました。みんなで集まることが楽しくて、開催当初から毎月参加しています。勉強とか話すだけでなく、落語やゲームなど楽しいイベントを実施してくれるので、気軽に参加できますよ。
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