■一般質問
◆中山定則議員(つづき)
◇生涯学習交流拠点施設の建設について
《問》宇和島駅前にオープンした「パフィオうわじま」のような次の機能を備えた生涯学習交流拠点施設をきほくの里保育園横に建設出来ないか。
《答》これまでの近永アルコール工場跡地の活用の考え方について整理すると、平成15年に国から払い下げを受けた当時の、住民の皆さんの意見集約では、企業誘致用地、分譲住宅用地、イベント、コンサート、講演会ができる文化施設や図書館、スポーツ施設、レジャー施設をという幅広い内容での提案もあったが、一方では、「将来に財政負担をもたらす施設は作るべきでない」、「箱物は失敗例も多く作るべきではない」といった意見もあった。それらの提案、意見を踏まえて、「近永アルコール工場跡地活用検討委員会」で協議をし、平成18年3月に、住宅用地、商工業用地、公共用地として活用するのが適当であるとの答申をいただいた。
その答申を踏まえ、平成19年から工場跡地の一部を住宅用地として分譲し、令和元年9月までに、66戸の住宅用地を完売した。その一方で、残った土地は、商工業用地、公共用地としての活用を検討しているが、ある民間事業者から、子育て支援施設、公園、住民交流施設、商業施設等を盛り込んだ複合的な施設を、P・P・P方式で整備する提案をいただいた。
P・P・P方式は、公共施設等の建設、維持管理、運営等を、行政、民間が連携して行う方法であり、民間事業者が建設した建物を、リース料金を支払って町が運営する方法と、指定管理者制度や包括的民間委託制度を利用して、民間事業者が運営する方法などの多様な選択ができることがメリットである。計画の中の一つである子育て支援施設の内、保育園については、鬼北町の施設として、交付税措置のある過疎債を財源として、整備し運営した方が、財政的に有利なこと、また、指定管理者制度等を利用した場合の職員の処遇などの様々な問題があり、町が建設し運営することにして、「きほくの里保育園」を整備した。
また、商業施設については、P・P・P方式で整備し、民間事業者が運営するのが、最も適当であるが、民間事業者の方で、アルコール工場跡地に立地可能な商工事業者を調査したところ、本町において、すでに営業している事業者と同じ業態の事業者で、町としては、競合は避けるべきとの考えから、再検討が必要な状況になっている。
一方、子育て支援施設については、担当課で、先進地視察を行うなど、施設の内容等について、少しずつ検討を行っているが、その施設に行けば、子どもが1日中楽しく過ごせることができるとともに、子育ての悩みを親同士が共有したり、職員に相談したりできる施設で、子どもを連れて来たお父さん、お母さんや、おじいちゃん、おばあちゃんも、リラックスして時間を過ごせるような施設ができればと考えている。
「パフィオ宇和島」のようなホールと図書館については、現在のところ整備する考えはないが、子どもや大人が時間を過ごせる図書スペースや、交流スペース、雨天でも子どもたちが遊べる施設を整備できればと考えている。
なお、アルコール工場跡地の活用については、誘致したい商工事業者の業種の検討や、子育て支援施設の先進地視察など、各担当課で一部検討は進めているが、町民の皆さんに喜んでいただけるような施設の検討を行い、地域の活性化につなげていきたいと考えている。
◆山本博士議員
◇放課後児童クラブについて
《問》放課後児童クラブの利用状況について。
《答》町内には、近永小学校に隣接した放課後児童クラブが1か所あるが、今年度の放課後利用登録児童数は44名で、夏季休業中は、54名の登録児童数となっており、共働き世帯の増加等により、利用希望者数は年々増加傾向である。
《問》土曜日や夏休み等、休業日における昼食の提供は、出来ないものか。
《答》児童クラブ内は冷暖房が完備されており、お弁当等の安全衛生に配慮した中で、学校休業期間中は、保護者の皆さんに児童の昼食を用意いただいている。
土曜日や夏休み等の昼食については、厚生労働省が定めた「放課後児童クラブ運営指針」にある子どもの健全育成という目的を踏まえ、親子のコミュニケーションなどの観点から、放課後児童クラブを利用する子どもには、保護者が用意した昼食を持参するとの放課後児童クラブ建設時の考え方により、施設には、調理設備や調理器具は備えていない。
子ども家庭庁が行った夏休み等の長期休業中の食事提供状況のアンケート結果によると、全国で、昼食を提供している放課後児童クラブの数を把握している自治体は995市区町村で、その自治体内にある1万3千97か所の児童クラブのうち、長期休業中に昼食を提供している児童クラブ数は、2千990か所、22・8%となっている。提供方法としては、施設内部で調理している、自園調理が18・5%、施設外部からの搬入が74・7%で、外部からの搬入が大半となっている。
全国の例を見ると、宅食(弁当の配達)を実施している児童クラブが大部分だが、弁当代、配送費等を保護者負担とするなど、様々な提供方法がある。
他市町の事例や動向等も注視しながら、子育て支援につながる施策を見極め、総合的な視点から児童の健全育成に取り組んでいく。
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