■一般質問
◆山本博士議員(つづき)
◇障がい者の自立支援について
《問》鬼北町の取り組みについて。
《答》障がい者が地域で安心して暮らせる社会の実現をめざして、平成17年に制定された「障害者自立支援法」により、障がいのある方が利用できるサービスが充実し、それを市町が一元的に提供する仕組みができた。現在は、「障害者総合支援法」に名称が改正され、希望する生活を実現するための支援体制の整備や、支援の強化が図られている。障がいのある方の自立を支援する事業所への取り組みとしては、本町においては、社会福祉法人等が障害福祉サービス等を開始するために施設等を整備する場合、老朽化した施設や入所者等のニーズに合わせた施設の改修等の整備費等を補助する「社会福祉施設等施設整備費補助金」について、設置者が提出する協議書に併せ、当該施設整備の必要性や緊急性、設置者の適性等を記載した意見書を付しており、新規でサービスの提供を行う事業所や、既にサービス提供を行っている事業所等に対し、利用者のニーズに沿った施設の環境整備が図れるよう積極的に協力している。
また、障がいのある方の自立を支援する施策としては、大きく分けて、障害福祉サービスと地域生活支援事業がある。障害福祉サービスには、訪問系、日中活動系、住宅系の各種サービスがあり、障がい児を含め、個々の状況と希望に応じて、サービスを組み合わせて選択することができ、その利用計画の作成や見直しを行う計画相談支援を受けることができる。
「訪問系」には、暮らし慣れた自宅での生活を支援する「居宅介護事業」や、視覚障がい者の移動援護などを行う「同行援護事業」、「日中活動系」には、自宅で生活しながら短期間、施設に入所する「短期入所事業」や、働く場を提供する「就労継続支援事業」、「住居系」には、主に夜間の日常生活支援を行う「施設入所支援事業」や、共同生活を行う住居で相談や日常生活上の援助を行う「共同生活援助事業」などがある。また、障がい児の通所支援としては、小学校入学前まで利用できる「児童発達支援事業」や、入学後から高校卒業時まで利用できる「放課後等デイサービス事業」などがある。このほか、障がいのある方が日常生活を送る上で必要な支援として、また障がい児の育成について支援することを目的として、身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完・代替する用具について、補装具費を支給し、障がいの治療にかかる医療費に対しては、自己負担を軽減するため自立支援医療費の給付を行っている。
なお、令和5年度においては、延べ約3,300人の方々の利用を見込んで、障害者自立支援給付費として、約3億5千万円の予算を計上し、障がいのある方の自立を支援している。
また、市町の状況に応じて柔軟に実施できる鬼北町の「地域生活支援事業」としては、障がい者やその家族などからの相談に応じ、地域における生活を支援する「障害者相談支援事業」、聴覚や音声・言語機能に障がいのある方などに対して派遣する「手話通訳者派遣事業」、日常必要となる用具の購入費用助成を行う「日常生活用具給付等事業」、活動場所を提供し社会に適応するための日常的な訓練を行う「日中一時支援事業」などのほかに、「自動車免許取得事業」、「自動車改造助成事業」、「障害者訪問入浴事業」に取り組んでおり、今後とも相談支援事業所等の関係機関と情報共有を行い、連携を図りながら障がい者が地域で安心して暮らすことができるよう、継続して支援を行っていく。
《問》障がい者の正職員の雇用率、また、非正規職員は、何%か。
《答》まず、障がい者の雇用率については、「障がい者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、毎年所定の算定方式に従い、実雇用率を算定し、厚生労働省愛媛労働局へ報告することになっている。この算定方式については、正職員と非正規職員を併せた職員数で全体の雇用率を算出するものである。
鬼北町の実雇用率は、直近の数値が令和5年6月1日現在で3・11%、1年前の令和4年6月1日現在で3・39%となっている。なお、鬼北町においては、現在のところ障がい者の雇用は非正規職員のみであり、正規職員の雇用はない。国が定める法定雇用率は、令和5年度が2・6%、令和6年度が2・8%、令和8年度から3・0%となっており、鬼北町は5年度、6年度ともに、その法定雇用率をクリアしている。また、愛媛労働局においては、公的機関や民間企業などにおける障がい者雇用の状況の集計結果を、毎年12月頃に公表しているが、昨年度の3・39%という率は、県下20市町の中で、最も高い雇用率となっている。
《問》採用の際、障がい者枠などは設けてないのか、設けてないのであれば、今後障がい者枠を設ける考えはないか。
《答》まず、今年度における職員採用試験の状況について、特別に障がい者枠を設けての試験は実施していない。ただし、平成27年度には、障がい者を対象とした正規職員一般事務の採用試験を実施し、平成28年度から1名を採用したが、本人の都合により、半年ほどで退職された。また、令和2年度には、障がい者を対象とした会計年度職員の採用試験を実施し、令和3年度から3名の障がい者を雇用している。
現在は、国が定める障がい者の法定雇用率を充たしている状況ではあるが、今後、障がい者の活躍を推進する体制整備について取り組んでいく。
◆髙橋聖子議員
◇がん検診、治療に関する町の取り組みについて
《答》本町においては、各種「がん検診」は、町内各地区ごとに行っているが、健康診査と一緒に受診することで、より疾病の予防や早期発見が見込めることから、「総合健診」を基本スタイルとして実施し、「がん検診」の結果、「要精検」と判定された方に対し、精密検査の重要性を説明した上で、的確な受診が確保されるよう、医療機関への受診指導を強力に推進している。
《問》がん検診の受診状況について。
《答》愛媛県から公表されている国民健康保険被保険者の「がん検診」の令和3年度受診率実績によると、本町の受診率は、胃がん検診25・6%・愛媛県下第1位、大腸がん検診33・8%・県下第2位、肺がん検診31・9%・県下第1位、乳がん検診37・5%・県下第2位、子宮頸がん検診19・3%・県下第8位の受診状況である。
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