なぜ、学校現場は変わってきたの?
■REASON1 急速な技術革新やグローバル化が進む時代に突入
近年では、情報技術やグローバル化の進展により、国内外の情報・文化に触れる機会が増えています。例えば、オンラインでつながるスマホやゲーム機などのICT機器の普及、ChatGPTなどの生成AIの登場など。急激な社会変化に対応するため、子どもたちには、予測困難な社会を生き抜く資質・能力を学校で身に付けることが求められています。
そこで、時代の変化や社会の流れに学校も早い段階での対応が必要とされ、令和3年度に国がGIGAスクール構想を立ち上げ、タブレットの導入などの現代に合わせた学習環境の整備が全国的に始まりました。
■REASON2 学校の役割や教員の仕事が多様化
かつての学校の役割は、授業・生徒指導・部活動・学校行事を行うことでした。現在は、心理・福祉面の支援、通学路の安全確保、学校外での生徒指導、保護者対応などの比重も大きくなり、教員に求められている仕事が多様化しています。
「学校現場における業務改善のためのガイドライン」によると、現在は教員が子どもと向き合える時間を確保するため、学校関係業務における役割分担の明確化や校務などのデジタル化、専門的知見を有する人材の配置などを行い、学校が一つのチームとなって、子どもを教育する仕組みを始めています。
■REASON3 学習指導要領に基づく教育が基本
学習指導要領とは、文部科学省によって、学校教育の在り方や各教科の具体的な内容をまとめているガイドラインのこと。社会や教育環境の変化に伴い、子どもたちが身に付けるべき資質・能力も常に変化するため、約10年ごとに改訂されています。各学校は、最新の学習指導要領に基づき、教育課程を編成しています。
◆最新の学習指導要領のポイント H29改訂
○子どもたちに必要な力を3つの柱として整理
子どもたちに求める資質・能力が明確化され、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の3つの柱に整理されました。通知表も、以前は各教科で評価する観点が異なっていましたが、現在は、3つの柱に沿った全教科統一した観点で評価しています。
○個別最適な学び・協働的な学びの一体的な充実
子どもたちは、知識・技能だけでなく、問題解決能力・コミュニケーション能力など、さまざまな資質・能力を身に付ける必要があります。そのため、これまで多かった教員の一斉講義形式の授業ではなく、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業の改善が求められています。
○教科・科目の新設・見直し
代表的な変化が、小学校外国語活動の5・6年生の教科化、プログラミング教育の必修化、道徳の時間の「特別の教科道徳」としての位置付けで、どれも現代社会を生きる上で、必要な教科・科目です。他にも、言語能力の確実な育成や理数教育、伝統・文化に関する教育の充実などがあります。
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