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広がる おおぶニックな農産物たち(1)

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愛知県大府市

昨年11月、有機農業により作られた「おおぶニック米」が、初めて市内の小・中学校で提供されました。
「おおぶニック」とは、地名の「大府」と有機の「オーガニック」を組み合わせて作った愛称です。
市では、令和3年1月にゼロカーボンシティを宣言し、「脱炭素社会づくり」「循環型社会づくり」「自然共生社会づくり」の観点から地球温暖化対策を進めています。
農業分野では、有機農業をはじめとする環境にやさしい農業を推進し、環境負荷の低減に取り組んでいます。
今号の特集では、有機農業の現状や市内での取り組みについて紹介するとともに、市内で「おおぶニック」農産物を育てる仲間を募集します。

■環境にやさしい持続可能な農業 有機農業を知る
なぜ今、有機農業が注目されているのでしょうか。有機農業の特性や市内での取り組みについて紹介します。

◆ABOUT 有機農業とは
(1)化学的に合成された肥料・農薬を使用しない
(2)遺伝子組み換え技術を利用しない
(3)農業生産に由来する環境への負荷をできる限り減らす
方法を用いて行う農業のこと
引用:有機農業推進法

有機農業は、化学肥料を使わないことなどによる地球温暖化の防止と、環境への負荷を減らすことにより生物多様性に貢献します。
しかしながら、化学肥料・農薬を使用しない有機農業は、一般的な農法に比べて栽培に手間が掛かり、多くの収穫量を得ることが難しく、野菜の大きさ・見た目も不ぞろいになる場合があります。

○国を挙げて有機農業を推進 みどりの食料システム戦略を策定
日本は、地球温暖化による気候変動や大規模自然災害に見舞われることが多いのに加えて、高齢化により農業の担い手も減少しつつあり、食の安定供給への対処が急がれています。
そこで、農林水産省は令和3年5月、環境に配慮した持続可能な食料システムを構築するため「みどりの食料システム戦略」を策定しました。この戦略は、調達、生産、加工・流通、消費の各段階の取り組みと脱炭素などの環境負荷を軽減する技術革新を推進するものです。2050年までに目指す姿の一つとして、有機農業の取り組み面積の割合を25%に拡大する目標を掲げています。

○温室効果ガスを減らすお買い物 温室効果ガス見える化実証の取り組み
地球温暖化防止の観点から、温室効果ガス削減に取り組む生産者の努力を分かりやすく消費者に伝えるため、農林水産省が「温室効果ガス見える化実証」を行っています。
農業由来の温室効果ガスの削減につながる取り組みには、化学肥料・農薬の削減や炭素貯留などがあります。
今年度、つむぎて農園(米田町)がこの実証事業に参画し、商品に温室効果ガスの削減量を星の数で表示したラベルシールを貼り、有機農業における環境負荷低減の効果について、消費者に伝えました。

■市内で広がるおおぶニックのWA 有機農業を広める
市内で有機農業に取り組む生産者は少なく、米の生産者はいない状況でした。こうした中、令和4年に生産者と市民団体が協働で、有機農業による米づくりにチャレンジしたことをきっかけに、おおぶニック米を作る流れが生まれました。
そこで、有機農業の拡大に向けた活動を広げるため、有機農業に取り組む生産者と関係者で「おおぶニックのWA」を設立しました。

◆ABOUT おおぶニックのWAとは
おおぶニックのWAは、市内で有機農業の裾野を広げていくため、生産者・市民団体・市が構成員となり、令和5年2月に設立した生産者団体です。

○INTERVIEW 少しずつ有機農業にチャレンジ
令和4年度から、農地の一部を使って有機農業に挑戦しています。今まで有機農業をやったことがなかったので、初めはどうやっていけばいいのか全く分からず、苦労しました。一人では厳しかったけれど、市民団体の皆さんが、草刈りや販売先の支援などを手伝ってくれるので、とても助かっています。私みたいに、慣行農業もやりながら少しだけでもいいので、有機農業にチャレンジしてくれる生産者が増えたらいいなと 保育園給食へのおおぶニック農産物の提供は、2年ほど前から月1回のペースで実思います。
おおぶニック米生産者 本田貴士さん

◆おおぶニックのWAの取り組み
○有機農業担い手講座を開催
新たに有機農業に取り組む人を対象に講座を開催しています。この講座では、有機栽培の基礎を学べるとともに、あいちの伝統野菜も育てます。

○おおぶニック農産物を給食へ提供
市内の保育園・学校に、有機農業により作られた米・野菜を提供しています。提供回数を増やせるよう、生産量の拡大を目指しています。

○新しい資材を使った実証栽培
野菜部門では、市内の竹林整備を行う市民団体「おおぶ竹林循環プロジェクトBUNKAI」の協力のもと、ポーラス竹炭(※1)を活用した栽培を行い、地域資源の有効活用を図っています。
※1 ポーラス竹炭は、多孔質なため、良い微生物が発生し、土壌改善に役立つ。

○加工品の開発
米ぬかを使ったスイーツや規格外の米を使ったポンせんべいなど、加工品の商品開発に取り組んでいます。農産物のロスを減らすとともに、新しい販路開拓を考えています。

問合せ:農政課
【電話】45-6225

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