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自治体の皆さまへ

ウェルネスバレー×スタートアップ 夢の扉(2)

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愛知県大府市

■市内企業 認知症施策 介護福祉施設×スタートアップとの連携
○COLLABORATION
スタートアップによる新しい技術やイノベーションは、自分にはあまり関係がないことと思ったり、難しくて敬遠してしまったりするかもしれません。しかし、こうした新しい取り組みは、私たちの暮らしをより豊かにしてくれる可能性があります。
ここでは、大府発のスタートアップや市内企業・施設のスタートアップとの連携を紹介します。

◆大府発×スタートアップ
(株)Field Allianceは、市内の自動車部品メーカーである(株)松尾製作所の社内ベンチャーとして2019年に設立。自動車部品製造で培ったセンサー技術を生かし、片手で簡単に、1枚単位でウェットティッシュを取り出せる完全非接触の自動おしぼり供給機「SAWANNA(サワンナ)」を開発しました。医療機関での使用用途や課題抽出のため、実証先紹介の相談があり、市がウェルネスバレー関係機関に照会したところ、あいち小児保健医療総合センターから協力の申し出があり、実証事業を行いました。現在は、市役所や市内外の飲食店などでも導入が進んでいます。

○INTERVIEW 時代の流れに遅れず、常に新しい情報へとアップデート
時代の流れにアンテナを張り、常に新しいことにチャレンジする環境が必要と考え、(株)Field Allianceを立ち上げました。スタートアップだからこそ新しい取り組みができ、スピード感を持って対応できます。
SAWANNAは、東京オリンピックに向けて来日する外国人をターゲットに日本の清潔なおしぼり文化を提供し、赤ちゃんのおしり拭きにも展開できるだろうと考え、開発しました。現在は、飲食店や宿泊施設を中心に利用が進み、プラスチック包装を削減できることからSDGsにも取り組んでいます。
(株)Field Alliance 代表 松尾基さん

◆認知症施策×スタートアップ
国立長寿医療研究センターとHubbit(株)は共同研究契約を締結し、同社が開発したシニア向け簡単コミュニケーションツール「ケアびー」を用いて、認知症の方が継続的に医師との遠隔診療を受診できるかを検証しています。
この取り組みをきっかけに、Hubbit(株)代表取締役の臼井貴紀さんは、国立長寿医療研究センターの研究員に着任。ケアびーもウェルネスバレーブランド認定を取得するなど、市とも密に連携しています。

○INTERVIEW 話せる伝言板「ケアびー」を後期高齢者のインフラへ
老化により身体・認知機能が低下して、寝たきり状態になっても、その人らしく過ごせる社会を作りたいと思い、Hubbit(株)を立ち上げました。ケアびーは、高齢者のコミュニケーションツールとして操作は簡単に、よく使うビデオ通話などは、何も触らなくても動くようにしています。国立長寿医療研究センターとの検証では、全員問題なく受診でき、慣れ親しんだ医師が家で診てくれるという事実に、メンタルがポジティブな方向に動いている様子が分かりました。将来的にケアびーを高齢者の生活に欠かせないツールにしていきたいです。
Hubbit(株) 代表取締役 臼井貴紀さん

◆介護福祉施設×スタートアップ
(株)musbunは、学生と福祉に特化したマッチングサイト「musbun(むすぶん)」を開発し、ボランティアやインターンシップなどの福祉体験を通して、学生と福祉施設を結ぶ事業を展開。市の医療・介護福祉現場と企業が連携する医福工連携マッチングを活用し、ウェルネスバレーの介護福祉施設と学生とのマッチングに取り組んでいます。
また、至学館大学の現代教養科目「人間力総合演習」で、musbunを活用した演習を行っています。これらの活動から、(株)musbunは、大府市を初めてのサポーター自治体としました。

○INTERVIEW 介護福祉施設と学生を結んで、恩返ししたい
高齢者が多い地域で生まれて、小さい頃からかわいがってもらってきたので、ずっと恩返ししたいと思っていました。大学生の時、今すぐにできることとして介護施設へボランティアに行き、介護の魅力に気付きました。ボランティアに行くまでは、大変そうというイメージが強かったけど、体験してからはイメージがガラッと変わったので、私みたいに施設に足を運ぶ機会が作れたら興味を持ってくれる子が増えるのではと思い、musbunを開発しました。musbunを使って、ボランティアに参加した学生がその福祉施設に就職したという、うれしい報告も届いています。
(株)musbun CEO 鈴村萌芽さん

◆市内企業×スタートアップ
CO2排出量の可視化に取り組むスタートアップの(株)テックシンカーから、カーボンオフセットに関する提案が市にあり、市が市内企業に呼び掛け、ゼロカーボンを進めるアルメック(株)とマッチングしました。
アルメック(株)は、自社の努力では削減しきれない温室効果ガス排出量を、他の場所での削減・吸収活動を支援することにより埋め合わせる「カーボンオフセット」を実施。木曽三川流域の保全と水の安定供給を目的とした「水源の森づくりプロジェクト」を支援する形で行うため、自社の脱炭素化だけでなく、地域の水資源確保や多発する災害対策に寄与しました。

○INTERVIEW 多様な分野でスタートアップと連携していきたい
カーボンオフセットに関心があったので、(株)テックシンカーを紹介してもらいました。(株)テックシンカーは、単純にカーボンオフセットの取引を自社に代わって行うだけではなく、特設サイトを作って社会へと発信してくれました。自社だけでは、スタートアップとつながるのは難しいと思うので、今回のマッチングは、非常にいい機会になりました。今までの常識ではできないと思っていたことを覆していく点にスタートアップの役割があると思うので、今後もさまざまな分野で連携していきたいです。
アルメック(株) 管理部次長 野々口慎さん

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