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自治体の皆さまへ

大府から全国へ 支援の輪を広げよう 認知症不安ゼロのまちの実現を目指して(2)

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愛知県大府市

■認知症ヘルプマークのデザインが決定しました
市は、認知症の方が、街を一人で歩いているときや一人で困っているときに、見守りや援助を受けやすくなるよう、認知症の方が身に付ける「認知症ヘルプマーク」のデザインを公募しました。
全国各地から計293点の応募があり、厳選なる審査の上、岐阜県在住の大学生・牧野さくらさんのデザインに決定しました。

◇VOICE 手を差し伸べる様子を表現
デザイン作者 牧野さくらさん
黄色が認知症の方、白色が手を差し伸べている地域の人を表しています。黄色は、危険・注意などを伝えるときに使われることもあれば、明るさ・元気・幸せなどの意味も持っている色です。
不安や戸惑いから、黄色のシグナルが出ている認知症の方に手を差し伸べ、明るく幸せになってほしいという想いを込めました。遠くからこのマークを見た際に、ニコっと笑顔に見えるようデザインしています。

◇ABOUT 認知症ヘルプマーク
ラバー素材のパスケース(サイズ:横65mm×縦100mm)に、デザインを反映させて制作します。
9月24日(火)から、認知症の方や認知症の疑いがある方を対象に高齢障がい支援課窓口で配布します。

◇TRIGGER 誕生のきっかけ
令和5年9月21日の世界アルツハイマーデーに行われた岡村市長と、鉄道事故で認知症の父親を亡くした高井隆一さんによる対談の中で、高井さんから「全国で利用できる認知症ヘルプマークを大府市が作ってみてはどうか」との提案をきっかけに検討を進め、制作に至りました。

■大府から全国へ、認知症ヘルプマークが普及してほしい 高井隆一さん
認知症だった自分の父親には、無事に帰ってきてほしいという思いで、服や帽子などに名前と電話番号を書いた布製の名札を縫い付けていました。しかし、個人情報を記載した名札だと悪用されて、さまざまな詐欺被害にも遭いかねません。なので、この名札に代わるもので、認知症に特化したマークが誕生したらと思い、提案させていただきました。
今回、全国各地から293点ものデザインが集まったと聞いてとても驚きました。一つ一つデザインを見せていただきましたが、皆さんの思いが伝わってきて、とてもうれしかったし、このように多くの方に関心を持っていただけたことに本当に感謝しています。
大府市で誕生した認知症ヘルプマークが、全国へと普及して、認知症の方やその家族の皆さんが、安心して暮らせるようになる一助になってもらえたらと思います。

■認知症になっても、自身の経験を生かして社会へ貢献 康恵さん
康恵さんは、15歳の頃から美容師として働き、これまでに多くの方々のヘアセットを経験してきました。現在はスピカで、定期的に頭髪のカットボランティアを行っています。

◇INTERVIEW 多くのコミュニケーションが生まれることがこのボランティアの魅力
令和4年6月から、頭髪のカットボランティアを始めました。初めは、屋外でカットしていたので、暑くてお客さんが汗だくになってしまい、定期的に開催することが難しかったです。今は、スピカで場所を貸してもらっているので、定期的に開催できています。
お客さんから受けた要望をずっと覚えていることが難しいので、紙に書いて目に見えるところに常に置いておきます。それでも足りないところがあれば、家族に声掛けのサポートをしてもらいます。きれいになりたいと思ってきてくれるからこそ、その思いに精一杯応えられるよう頑張っています。お客さんの喜んでいる顔を見たときは、とてもうれしいですし、お客さんとお話しながら髪を切るのがとても楽しいです。

◇〔家族の思い〕サポートする体制があれば、誰でも自分らしく輝ける
妊婦の方が付けているマタニティマークは非常に分かりやすいし認知度も高いので、電車内で見掛けたら多くの人が席を譲るなどの手助けができます。今回誕生する認知症ヘルプマークも、全国的に認知度が上がってくれたらいいなと思います。認知症の方は、買い物の時に手間取ってしまったり、一人で歩いていて道が分からなくなってしまったりすることがよくあります。このマークを付けていることで、周りの人が声掛けしてくれるなど、認知症の方への理解や心配りが広がっていくとうれしいです。
認知症と一言で言っても、その症状は本当に人それぞれです。認知症に対する正しい理解と支援体制、そして受け入れてもらえる環境が整えば、認知症の方は自分らしく、いきいきと地域の中で輝けると思います。

◇〔支援者の思い〕人の目は地域を守る大きな力となる
認知症ヘルプマークの制作は全国初の試みということで、マークに対する認知と正しい理解の普及・啓発には時間はかかると思いますが、認知症になっても住み慣れた地域でその人らしく生活する一助になったらすてきだと思います。しかし、認知症に対する正しい理解が進んでいなければ、このマークを付けること自体がレッテルを貼ることになってしまったり、悪用されてしまったりする恐れがあるので、正しく啓発していく必要があります。認知症は、見た目では分かりません。もし街中で認知症ヘルプマークを付けている方がいて、何か困っている様子であったら優しく声を掛けてあげてください。人の目は、地域を守る大きな力になります。このマークの誕生により、未然に事件・事故を減らし、認知症の方が安心して歩けるようなまちになるといいなと思います。

康恵さんのケアマネジャー
プランテラス陽だまり 大橋直子さん

問合せ:高齢障がい支援課
【電話】45-6289

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