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自治体の皆さまへ

~小牧市民病院より~ 健康通信

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

■がんの痛み我慢していませんか?
緩和ケア科 部長医師:加藤 栄助

◇がんの痛みは我慢しない方が良い
がん患者さんには、がん自体が原因の痛み、がんに関連した痛み、がん治療に関連して起こる痛み、がん以外の病気による痛みや誰でも経験するような痛みが生じます。世界各国で用いられている標準的な痛みの治療法(WHO方式がん疼痛治療法)によって、80%以上の患者さんの痛みが和らぐと報告されています。
しかし、「我慢が美徳」とする日本文化のためでしょうか、多くの患者さんは痛みに対して我慢することを当然と思い、痛みを訴えることが治療の妨げになると考えているようです(図1)。痛みは心と体に大きなストレスを与え、痛みを我慢することで体にストレスが加わり、さらに痛みが強くなるという痛みの悪循環をもたらします。痛みがひどくなる前にしっかり痛みをとることが大切です。

◇あなたの痛みを教えてください
痛みがあること、その痛みがどのくらい強いのか、どこが痛むのか、痛みどめは効いているのかなどの正確な情報は本人にしか分からないものです。ずっと続いている痛みがあると、外見からは痛みに苦しんでいるように見えないこともあります。私の患者さんでも、付き添いのご家族に伺うと「それほど痛くなさそう」と評価されるのに、ご本人は痛みに困っている方がいました。
まずは困っている痛みがあることを教えてください。その際に次のような情報を教えていただけると、適切な治療への近道になります。

(1)痛みの部位や性質(例:腰がズキンズキンと脈打つように痛い)
(2)痛みの強さ(「痛みのものさし」(図2)で教えてください)
(3)痛みの日内変動(例:半日以上ずっと続く痛み、動く時だけ痛い、お風呂で温まると楽)
(4)現在の痛み治療の効果(例:30分くらいで効いてくるが、2時間すると痛みがぶりかえす)
(5)日常生活の困りごと(例:動くと痛いので家事や趣味が満足にできない)


※詳しくは本紙16ページまたはPDF版をご覧ください。

自分の痛みを「上手に伝えなければならない」と神経質になる必要はありませんが、外来の限られた診療時間のなかで漏れなく伝えられるよう、状況を要領よく伝えることは大切です。「どうだったかな?」と思い出しながら話すより、メモや日記を見ながら伝えるほうが伝わりやすいと思います。外来にある「痛み日記」をぜひ活用ください。

「からだ」の痛みが楽になると「こころ」の痛みも楽になり、逆もまたしかりです。痛みは我慢せず、打ち明けてみてください。

※診療科ホームページ(本紙16ページの二次元コードをご参照ください。)

問合先:市民病院
【電話】76-4131

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