文字サイズ
自治体の皆さまへ

~小牧市民病院より~ 健康通信

14/45

愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

■キズの治し方について
形成外科 医師 中野 千郷

形成外科とは、けがや病気などにより身体に生じた組織の異常や変形、欠損、整容的な問題(がんの切除などによって生じる変形や凹み)に対して、さまざまな手段を使って、機能だけでなく見た目もより正常に、より美しくすることで、患者さんのQuality of Life(QOL)の向上に貢献する科です。
キズをきれいに治す専門科と思っていただければよいと思います。
今回はキズの治し方や応急処置についてお話します。

◆キズは乾かさない。洗ってきれいにしましょう
「転んだあとのキズに消毒をして、カサブタをはらせて治す」は、今や古い治し方です。
キズを消毒すると、皮膚の常在菌まで殺してしまうため、逆にキズが治りにくいと言われています。また、キズは乾かすよりも適度にしっとりとした環境にいた方が、より早く治るということがわかってきました。これは湿潤療法といって、当院では2003年頃から導入しています。湿潤療法をするにあたって大事なことは、キズをきれいに保つことです。
キズは水道水でよく洗って、汚れを落としましょう。目で見て、ガラス片や土や砂利などの異物がない状態にしてから、ワセリンなどの軟膏を塗って、絆創膏で保護します。キズに異物が残ったままだったり、絆創膏を交換せずに貼りっぱなしなど、清潔な状態が保たれていないと、感染を起こして化膿することもあります。異物がとりきれない場合は、病院を受診してください。

◆ご自宅でできる応急処置
▽血が止まらないとき
清潔なタオルや滅菌ガーゼなどで、傷口を強く押さえます。これを圧迫止血といいます。指や腕などであれば、心臓よりも上の位置を保つとさらに効果的です。じわじわにじむくらいの出血であれば、数分~数十分で止血できることが多いです。吹き出るような出血の場合は、動脈が切れている可能性があるため、受診をおすすめします。

▽やけどをしてしまったとき
まず大事なのは、冷やすことです。服を着たままでもよいので、すぐにシャワーなどの流水で5分程度冷やしましょう。冷やすことで、やけどの深さを最小限に食い止めることができます。氷や保冷剤での冷却は冷やしすぎとなるため、流水程度の水温にとどめましょう。

▽ヒトやペットに咬まれたとき
人間を含めて、動物の口の中にはいろんな菌がいます。まずは傷口をよく洗いましょう。傷口を縫ってしまうと、悪い菌を閉じ込める可能性があるため、基本的には傷口は縫わずに、湿潤療法で治します。抗生剤を内服したほうがいい場合もあります。

・病院ホームページ
・診療科ホームページ
※本紙14ページの二次元コードをご参照ください。

問合先:市民病院
【電話】76-4131

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU