市民レポーターの皆さんが、市内のさまざまな場所に出かけて、市民ならではの視点から小牧の魅力や身近な話題について取材した様子を、毎月紹介していくコーナーです!
■REPORT 244
◆「見えない」ことを「見える化」するこまき視覚障がい者の会
小牧で活動する市民団体「こまき視覚障がい者の会」をご存じですか。活動開始から4年目を迎えました。視覚障がいのある方たちの社会参加を支え、コミュニティを作るために活動しています。代表の水谷直美さんに話を聞いてきました。
2020年3月、水谷さんら5人で、こまき視覚障がい者の会を設立しました。4人は名古屋総合リハビリセンター視覚支援で、歩行訓練や点字、ICT、生活などの訓練を受け卒業したメンバーです。
「視覚障がい者の方たちに社会参加できる場所があることを知らせたくて会を作りました」と当初の目的を話す水谷さん。白杖(はくじょう)を持っている方全てが全盲ではないことなど、さまざまな社会の誤解や偏見を解き、壁を越えて市民の皆さんに声を掛けていきたいとも話しています。
現在では、会員22人で、障がいのある方もない方も一緒に活動しています。
▽継続は力なり
会を継続していくためには毎月、活動することが大切だと考え、奇数月はアイフォン講座を開催し、携帯電話を使った視覚障がい者向けの便利なアプリの紹介や読み上げ機能の利用方法などを教えています。偶数月にはおしゃべりタイムと称して、引きこもりがちな方に出掛けるきっかけを作り、コミュニティを形成しています。散歩をしたり、落語を聞いたり、クリスマス会なども開いています。
暗闇アート展やアイマスクをして真っ暗の中での食事会など、「見えないってどういうこと?」を知ってもらう体験型イベントも行っています。
▽情報を手に入れる
視覚障がい者は、情報弱者と言われています。理由は街中の看板やポスター、新聞、チラシなど目から入る情報を手に入れることが困難だからです。最近では多くの企業や商店が「詳しくはホームページをご覧ください」と言いますが、閲覧することは難しいことだそうです。
それを補うために積極的にICTを学び、取り入れようと活動を続け、昨年作ったアプリが「アテンドナビ」です。水谷さんたちが、小牧に住む視覚障がい者のために必要な情報を集めて作りました。広報こまきや福祉ガイドブック、こまくるの時刻表など知っておくと生活に便利な情報だけでなく、補装具と日常生活用具の申請や各種手続きなどの方法までも音声で聞くことができます。
▽今後の活動
「今後は、防災について何ができるのかを学びながら取り組んでいきたい。自分たちも社会の中で生きがいを見つけていく活動をしていきたい」と話す水谷さん。誰にでも優しい小牧になるといいですね。
[アテンドナビ]
下記の二次元コードを読み取って利用してください。使い方の動画も二次元コードを読み取ってください。パンフレットは、市役所、ワクティブこまき、社会福祉協議会、中央図書館においてあります。
・iPhone用
・使い方動画
※Androidで利用したい場合は、こまき視覚障がい者の会にお問い合わせください。
(本紙14ページの二次元コードをご参照ください。)
◆編集後記 かおりん
取材の中で、水谷さんから困ったことを聞くと、「あ〜ら久しぶり!わたしよ、私」と声を掛けられても分からなくて…とか、「あっちこっち」と言われても分からなくて…。握手を求められても相手の手の位置が分からない…など考えさせられる話がたくさんありました。お互いを知ることの大切さを教えてもらいました。
◇今回の取材先
こまき視覚障がい者の会
問合せ:小牧3-555 ラピオ2階
【電話】48-6555
(ワクティブこまき内)
■REPORT 245
卓球が大好きな三島さん全国大会に出場しました!
桃陵中学校出身、現在は春日井高校定時制に通う3年生の三島つばささんが全国高等学校定時制通信制卓球大会に出場しました。卓球が大好き!と笑顔で答えてくれた三島さんと教諭で卓球部の顧問・西尾一基さんに話を聞いてきました。
「卓球をやりたくて、春日井高校を選びました。部活があることが、学校へ通うモチベーションの一つです」と笑顔を見せて話す三島さん。通学には30分程の道のりを自転車で通います。週3回、部活を終え、帰宅時間は10時を過ぎることもあるそうですが、部活を休んだことはありません。
三島さんが入学した頃は、先輩も在籍していましたが、今年からは三島さん一人になってしまいました。顧問の西尾先生を練習相手に頑張ってきました。
「卓球は奥が深くて、やればやるだけ上手くなれると思います。アドバイスをもらって理解できると上達していくのです」と、卓球の魅力を語ります。
▽全国大会に出場
今年、県大会で2位の成績を収め、全国大会への出場権を手にしました。最初は1勝できれば…と話していましたが、大会を目前にして、上位入賞したいと目標が定まりました。
初の全国大会は3対1で、初戦敗退となってしまいましたが「焦ってしまい、落ち着いてプレーできなかった。自分の力が発揮できず悔しかった。次はまず、10月に行われる県大会で1位を目指したい。そして、来年また全国大会に出場します」とリベンジを誓う力強さはアスリートの顔です。
▽頑張ったことが力に
西尾先生は「三島さんはは本当に真面目で努力家だ」と、頑張りを高く評価しています。そして、「勝つことだけじゃなく、応援される人になる」よう指導してきました。
その言葉通り、全国大会出場が決まってからは、先輩、友人だけでなく教職員も一丸となって応援してきました。大会前の最後の練習には養護教諭を通じて、学校薬剤師も練習に参加してくれました。
初戦敗退という結果でしたが、「今回、全国大会に出場し、大舞台で試合できたことを誇りにしなさい。皆に感謝しなさい」と、温かい言葉を贈る西尾先生です。
来年は全国制覇を成し遂げた三島さんの満面の笑みが見られることを期待しています。
◆編集後記 みくる
三島さんの目がキラキラしていて、何かに夢中になれる時、人は一番、輝いていると思いました。
西尾先生が小牧出身には驚きました。味岡中出身なんですって!何かいろいろな縁を感じて、温かくなる取材でした。
◇今回の取材先
三島つばさ
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