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~小牧市民病院より~ 健康通信

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愛知県小牧市 クリエイティブ・コモンズ

■院内迅速対応システム (Rapid Response System:RRS)
救急集中治療科 医師:中村 元気

◇院内迅速対応システムとは
皆さん、院内迅速対応システム(以下、RRS)をご存知でしょうか?入院中の患者さんの中には、懸命な治療にもかかわらず容態が急に悪化(急変)してしまう方がいます。入院中に急変に至る患者さんの多くにはその前兆があると言われています。前兆を適切なタイミングで発見し、連絡をもらったRRS担当医師やRRS担当看護師が現場に急行し、速やかに対応することで、予期しない院内死亡を減らそうとする仕組みのことをRRSといいます。
愛知県尾張北部医療圏で急性期医療を担う基幹病院として、当院は2021年からこのRRSという仕組みを導入し患者さんの治療にあたっています。私たち救急集中治療科は、ドクターカー、救急外来、集中治療室だけでなく、このRRSの一端を担い、入院患者さんを急変させない安全安心な医療を推進しています。

◇当院でのRRSの現状
当院では24時間365日、RRSが対応できる仕組みをとっています。また、実際にRRSが起動される基準も重要な点と言われており、当院では、呼吸数、酸素飽和度、心拍数、血圧などの事前に決められた具体的な数値の異常や意識状態の悪化などでRRSが起動されますが、その他に、医療者の「何かおかしい」という何らかの懸念がある場合にもRRSを起動できる仕組みとしています。具体的な数値だけでは捉えられない異常も見逃さないようにこのような工夫を凝らしています。
また、この仕組みが実際に機能しているかどうかも重要です。当院のRRS起動件数(18歳以上)は、2021年3月から2023年11月までの33カ月間で349件でした。そのうち55件が、高度な治療が必要と判断され、集中治療室または救急病棟へ移動し、治療を受ける結果となりました。この仕組みがなければ、これらの患者さんが急変してしまった可能性があり、その後に集中治療室で高度な治療を開始しても手遅れになっていたかもしれないと考えると、RRSという仕組みがあってよかったと思えるのではないでしょうか。

◇これからの当院のRRS
RRSにおいて急変するかもしれない患者さんをくまなく見つけ出すためには、起動件数を増やすことが非常に重要です。そのためには院内での講習会などでさらに関係職員に浸透させていく必要があります。また、今までのデータをもとにさらに良い仕組みへとブラッシュアップしていくことも必要です。
こういった取組を行いつつ、当院において安全安心な医療を受けていただけるように励んでいきます。

・病院ホームページ
・診療科ホームページ
※本紙12ページの二次元コードをご参照ください。

問合先:市民病院
【電話】76-4131

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