一生のうちで約2人に1人が、がんと診断される可能性があり、男性の4人に1人、女性の6人に1人が、がんで亡くなっています。
現在、わが国のがんによる死亡者数は年間38万人を超え、死亡原因の第1位です。そのうち、主に20~60歳代前半の働く世代のがん死亡者数は全体の約1割ですが、40歳を過ぎると年齢とともにがん死亡者数は増えていきます。自分だけでなく家族のために、健康なときから定期的に検診を受けて、がんを早く見つけることが大切です。 ID:11296
●がん検診の流れ
「受診券」
STEP1
5月中旬発送
受診券を確認
STEP2
5/24(金)から
実施医療機関に予約
STEP3
6/1(土)~10/31(木)
検診を受診
異常なし⇒今後も推奨される頻度で受診
異常あり⇒精密検査、診断・治療を受ける
■早期発見・早期治療で完治する確率は限りなく100%に近づきます
花井雅志 医師
せとかいどう花井クリニック院長
(一社)瀬戸旭医師会 地域保健理事
市がん検診事業 評価・検討委員会委員
日本乳癌学会 専門医
日本消化器病学会 専門医 他
○がん検診は無症状の人が受けることが原則
自覚症状があり精密検査でがんが見つかったかたと、定期的ながん検診で見つかったかたを比較すると、明らかに予後に差があります。
早期発見・早期治療をすることで、完治する確率は限りなく100%に近づいてきています。今はがんが見つかったときにほとんど告知されますが、それは治るケースが多くなってきているためです。
○検診を控えたかたが、がんになったことも
定期的に検診に来ていたかたが、コロナをきっかけに受診が途絶えてしまい、進行がんが発見されたことがありました。検診が途絶えなければ早期に発見できたかもしれません。今は、医療機関も感染症対策をしっかりやっていますので、コロナを心配せずに来ていただきたいです。
○女性のがんは若くても特に注意を
乳がんは40~50代がピークで、子宮頸がんはもっと若いかたでもなる傾向にあるため、働き盛り、子育て世代ががんになる可能性があります。若いうちから検診を受けることが推奨されています。
○検診は安心するために
よく、結果が怖いから検診をためらうかたがいますが、怖がって検診を受けない方が怖いです。検診はほとんどのかたが“異常なし”の結果です。ぜひとも、安心するために受けてほしいです。がん検診は、職場での検診の他に市の補助を使って受けることができます。忙しいかたのために、夕方の診療や土曜日でも検診を受けられる医療機関もあります。ぜひ、時間を見つけて検診を受けてください。
■子宮頸がんはワクチン接種と検診で90%予防可能
浅井英和 医師
旭ろうさい病院 婦人科主任部長
日本産婦人科学会認定産婦人科専門医・指導医
日本婦人科腫瘍学会認定婦人科腫瘍専門医・指導医 他
子宮頸がんの原因は、女性の多くが一生に一度は感染するといわれているヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。他のがんと違い、がん検診の受診とワクチンの接種で、90%以上を予防することができ、海外では高い接種率でほぼ根絶できている国もあります。過去に積極的な勧奨を差し控えていましたが、現在は専門家の評価により、安全性が確認されています。ぜひ、接種を検討してください。
公費による無料接種対象者:
・定期接種 ID:1744/小学6年生~高校1年生相当の女性
・キャッチアップ接種(令和7年3月31日まで) ID:1742/平成9年4月2日~20年4月1日生まれの女性
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