■ふれあいへの3ステップ 知る・聴く・寄り添う
【相手のことを知る・聴く】
▼精神障がい
・意欲の低下・幻覚・妄想・不安・イライラ・神経過敏・不眠などの症状があります。
・薬物療法や環境が安定することで、症状が改善します。
▽見守りのコツ
・療養に時間がかかることがあり、周囲の「頑張れ」などの言葉が本人にはプレッシャーになることもある。
・ストレスが重なると状態が悪化することがあるため、調子が悪い時はいる場所を変えるなど、休養してもらう。
▽ご家族の声
岡崎地域精神障がい者家族会(せきれい会) 会長
天野 喜代美さん
家族が精神疾患を抱えていたことから、せきれい会に入会。令和3年からは会長を務めている。
Q:コミュニケーションを図る上での困りごとは?
A:家族間でも、気を遣いながら話すのですが、時に本人が嫌に思っていることに触れてしまい、怒り出してしまうことがあります。
Q:うれしかった配慮は?
A:ぎこちない動作などを見てもおかしいと思わず、見守ってほしいです。小さなことでも、言葉に出して認めてくれたり、理解してくれたりする人がそばにいてくれるとうれしいです。
Q:「見た目では分からない障がい特性」を伝える上で、工夫していることは?
A:家族から、周囲のかたへ「薬の影響でぼーっとしているように見えても、本人は周りに気を遣っていて、とても疲れやすい」と説明しています。
Q:みなさんへメッセージをどうぞ!
A:精神の疾患のためコミュニケーションを十分にとれないことで事件になることもあり、多くの会員が心を痛めています。障がいのあるかたに声をかける際は、優しく簡潔な言い回しでお願いします。そうしたら、萎縮しないで話せるかもしれません。
▼肢体不自由
・上下肢欠損やまひ・機能障がいがあり、動作や姿勢の維持に不自由があります。
・杖・車椅子などを使うかたや、声を出す気管のまひなどで、意思を伝えにくいかたもいます。
▽コミュニケーション手段
・音声(音訳)
・文字盤
・視線
・重度障がい者用意思伝達装置 など
▽伝え方のコツ
できるだけ本人と正面で目線を合わせて会話し、声が聞き取りにくい場合は、その都度再確認をする。
▼知的障がい
・発達期に知的能力が年齢相応に発達していない脳の機能障がいのことです。
・言葉を使うこと、記憶すること、抽象的なことを考える際に時間がかかることがあり、予想外なことが起きるとパニックになることがあります。
▽コミュニケーション手段
・実物
・絵
・写真
・身振りを交える など
▽伝え方・見守りのコツ
できるだけ短く簡単な言葉で、ゆっくりと話しかける。
パニックになった時には、落ち着くまで見守る。
▼その他の障がい
・障がいには、臓器の障がいや難病など様々なものがあります。
・見た目で分からない障がいのあるかたは、周囲の理解が得がたく、日常生活や社会生活で困難を抱えることがあります。
▽見守りのコツ
外見で分からなくても、疲れやすい、姿勢を維持できないなどの理由で電車などの優先席を使うこともある。
ヘルプマークを着けたかたには、思いやりのある行動を。
【相手に寄り添う】
障がいのあるかたが困っていたら、まずはやさしく声をかけてみましょう。
▽声かけのポイント
○:効果的な行動を具体的に説明する
×:否定的な言葉・あいまいな言葉を使わない。
「○○してはいけません」「早くしてください」など否定的な言葉・具体的でない言葉で要求すると当事者がパニックになってしまうこともあります。
▽声かけの言い換え例
「走ってはいけません」
→「歩きましょう」(具体的な表現)
「早くしてください」
→「あと何分かかりますか?」(相手を否定しない・具体的な表現)
「いつでもいいですよ」
→「5分後ならいいですよ」「○○の時間帯ならいいですよ」(具体的な表現)
「危ない!」
→「けがをしそうで心配です」(心配していることを伝える)
→「止まりましょう」(具体的な表現)
■共生社会実現に向けた岡崎市の取組
・市政だよりの音訳版声の広報「おかざき」を提供しています。
・障がい福祉課に音声認識システムの設置や手話通訳者を配置しています。
・どなたでも利用できる手話通訳者・要約筆記者の派遣をしています。
・障がいがあるかたへの理解を深めてもらうためのパンフレットを作成します。
・災害時に意思の疎通が図りやすくなるコミュニケーションボードを作成します。
▽講演会のご案内
障がい者コミュニケーション条例・障害者差別解消法講演会
日時:9月12日(木)13時30分~16時30分
場所:福祉会館
内容:講演後、参加者による交流会を開催
定員:100人(先着)
講師:
・岡崎市難聴・中途失聴者の会 代表 羽田野裕子氏
・岡崎自立生活センターぴあはうす 高橋絵美氏
申込:8月6日(火)から電話またはFAXで。市電子申請届出システムで申込可。8月27日(火)必着
問合せ:障がい福祉課
【電話】23-6163【FAX】25-7650
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