■腎臓を大事にしてください
監修 透析センター
◇CKDって何ですか?
CKDとは、慢性に経過するすべての腎臓病のことです。原因となる疾患が何であっても、広い意味で腎臓に障害がある(たんぱく尿などの尿異常)または、腎機能が低下している(腎臓の働きが健康な人の60%以下になるといった腎臓の異常)という事実が3カ月以上続いている状態をいいます。
CKDは尿中のたんぱくの有無とGFR(糸球体ろ過量といい、腎機能を示す指標)で判断ができ、程度が軽い方からステージ1~5に分類されます。
◇どんな人がなりやすいですか?
新たな国民病ともいわれ、成人の約8人に1人はCKDと推計されています。
年をとると腎機能は低下するため高齢者になるほどCKDが多くなります。心筋梗塞や脳卒中といった循環器病の重大な危険因子になっており、糖尿病や高血圧、コレステロールや中性脂肪が高い、肥満やメタボリックシンドロームなどの方は特に注意が必要です。
◇どんな症状ですか?
初期には自覚症状はほとんどありません。主な症状にはむくみやだるさ、貧血、吐き気、食欲不振などがありますが症状が現れたときにはすでに病気が進行していることがあります。
症状がないからといって治療を行わず、そのままにしておくと進行し、透析療法や腎臓移植が必要となる可能性があります。
◇CKDをみつけるにはどうしたら良いですか?
自覚症状が出にくいため定期的に健康診断を受け、尿検査や血液検査で早期に発見することができます。たんぱく尿を指摘されたら、放置せず受診することをおすすめします。職場等で実施される健康診断の検査項目には含まれていないこともありますので確認してください。
◇予防はできますか?
一度悪くなった腎機能の改善は難しいです。しかし、今の腎臓の状態を守っていく方法はありますので、生活習慣を見直しましょう。腎臓を守ることは心臓や脳を守ることにもつながります。
◇腎臓にやさしい生活習慣
(1)生活習慣病の改善に心がけましょう
肥満(特に内臓脂肪過多)を解消し、高血圧や高血糖、脂質異常などがある方は改善に取り組みます。禁煙、減塩、肥満・運動不足の解消、節酒などは腎臓を守る基本です。適度な運動とバランスの良い食事、必要な薬以外は飲まない、使わないことも大切です。
(2)塩分の摂りすぎに注意しましょう
塩分の摂りすぎは血圧を上げ、腎臓の働きに悪影響を与えます。
(3)たんぱく質は適切に摂りましょう
たんぱく質を多く摂り過ぎると、腎臓からしか排泄することができない老廃物が体内で増加し、腎臓への大きな負担になります。そのため腎臓の働きが低下している人は摂り過ぎに注意しましょう。
(4)水分は適度に摂りましょう
腎臓には体の水分量を調節する働きがあります。適度な水分補給を行わないと脱水症状を引き起こし、腎臓に負担をかけてしまいます。腎臓に負担をかけないためにも水分補給をこまめに行うことが大切です。すでに腎機能が低下している方は医師と相談の上で水分摂取量を決める必要があります。
※eGFR値とは推算糸球体ろ過量といい現時点でどのぐらいの腎臓機能が残っているのかを示す値
問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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