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《今月のHOTNEWS》市民後見人の活動を知ろう(1)

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愛知県東郷町

あなたも地域福祉の担い手になれるかも!

「成年後見制度」を支援する「市民後見人」をご存知ですか?
昨年まで東郷町の市民後見人バンクの登録者数は2人、そのうち受任者数は1人でしたが、今年、5期生となる市民後見人が6人登録されました。
そこで今号では市民後見人の役割をお伝えします。

■本人に寄り添い安心できる暮らしを支える
「市民後見人」とは、弁護士や司法書士などの資格を持たない、親族以外の市民による成年後見人などで、市町村の支援を受けて、後見業務を適正に担います。
主な業務は、ひとりで決めることに不安のある人の金銭管理、介護・福祉サービスの利用契約の支援などです。認知症や知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が不十分な人は、自分で預貯金などの財産を管理したり、介護サービスや施設への入所に関する契約を結ぶのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であっても、正しく判断ができずに契約を結んでしまい、被害に遭ってしまうこともあります。このような判断能力の不十分な人を保護し、支援するのが「成年後見制度」です。
東郷町では希望者を対象に、必要な知識や技術、社会規範や倫理性などを伝える「市民後見人養成研修」を開催。修了者は市民後見人バンクに登録後、家庭裁判所からの選任を受けて、活動を開始します。
市民後見人の役割は、同じ地域に暮らす住人として、本人の思いを尊重し同じ目線で考えられる、寄り添い型の支援を体現することです。市民後見人の存在によって、本人が安心して元気に暮らすことができ、また活動する人も社会参加の機会を得て輝きを増すなど、助け合いの心が育まれる地域となっていくことに意義があります。

▽「尾張東部権利擁護支援センター」とは…
市民後見人の活動を支える「尾張東部権利擁護支援センター」は、判断能力が不十分な認知症の高齢者、知的障がい・精神障がいがある人の財産や権利を守るために、尾張東部地区の5市1町(東郷町・瀬戸市・尾張旭市・豊明市・日進市・長久手市)から委託を受けて運営されています。5市1町においては、「尾張東部権利擁護支援センター」が市民後見人を養成する研修を行っています。

▽成年後見制度とは…
認知症や知的障がい、精神障がいなどで判断能力が不十分な人を保護・支援するために、法的な権限を与えられた成年後見人などが本人の意思を尊重しながら生活状況や身体状況などを考慮して、本人の生活や財産を守る制度です。
成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」があります。法定後見制度は民法によって後見・保佐・補助の類型が定められています。

「法定後見制度」…すでに判断能力が低下している場合に利用する。
「任意後見制度」…判断能力があるうちに将来に備えて契約を結んでおく。

■市民後見人を経験して得たもの
市民後見人バンク登録者
橋野玲子さん(写真左)
形のない豊かなものが得られる人としてやりがいあるボランティア

福祉関係の仕事を続けながら、市民後見人バンクに登録したのは、「仕事の経験を活かして、地域の中でも自分の役割や居場所を見つけたい」と考えたからです。7か月間の養成研修では、自分のためになる反面、内容が進むと難しく「自分に務まるのかな」と思うこともありました。2017年3月から2020年8月まで、認知症男性Aさんの市民後見人を受任し、亡くなるまで3年5か月間を担当しました。Aさんのご親族は遠方にお住まいで「急に呼ばれたらどうすればいいのか」などの不安を私は持っていましたが、困ったことは尾張東部権利擁護支援センターの方に相談すれば力になってくれると知って、市民後見人の受任を決断しました。
受任後は、Aさんの日常を知るために特別養護老人ホームへ週1回通いました。Aさんはとても明るくて楽しい方で、一緒にいる時はたくさん笑い合いました。市民後見人はやりがいのあるボランティアだと思います。報酬はありませんが、形のない豊かなものを与えていただきました。Aさんが人生をまっとうされるまで見届けられたことで、「どう生きるべきか」と自身を見つめ直すきっかけにもなりました。いつか自分も地域の方に支えてもらうかもしれません。市民後見人は、自分のできることで同じ地域の住民を支えられる、共助の仕組みだと思います。

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