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【市民病院特集】せぼね(脊椎(せきつい)・脊髄(せきずい))の診察はじめます。

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愛知県津島市

令和6年4月より津島市民病院、脳神経外科にてせぼね(脊椎・脊髄)の診療を開始しました。
手術が必要なせぼねの病気の方は、これまでは、他の地域の病院へ紹介するしかありませんでしたが、現在は当院での手術が可能となっています。

○市民病院脳神経外科副部長 青山正寛(あおやままさひろ)
・日本脳神経外科学会専門医
・日本脊髄外科学会技術指導医
・脊椎脊髄外科専門医
・日本脳神経外傷学会認定専門医

■脳神経外科でせぼねの手術?
みなさん、脳神経外科と聞くと「頭の手術じゃないの?」と思い浮かべるかもしれません。脳神経外科は、英語では“Neurosurgery”(ニューロサージャリー)といいます。“Neuro”(ニューロ)は神経、“Surgery”(サージャリー)は外科という意味なので、本来は『神経外科』と表記されるべき診療科です。従って、脳神経外科は本来、神経に関する手術全般、つまり脳だけに限らず、そこからつながる脊髄や末梢神経にいたる神経の手術がすべて、脳神経外科の守備範囲だということになります。実際、欧米では脳神経外科手術のうち半数以上が、せぼねの手術です。そのため日本でも多くの病院で、整形外科に限らず、脳神経外科でもせぼねの手術を行っています。

■脊椎変性疾患とは
ひとことで、脊椎変性疾患といっても、そこには頚椎(けいつい)椎間板ヘルニア、頚椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症(きょうさくしょう)などの様々な病気が含まれます。脊椎変性疾患は圧倒的に高齢の方に多い病気で、そのため高齢化の進む日本において増加の一途をたどっています。
重力に対抗し、同一姿勢で長い時間生活を送っていることにより、せぼねに大きな負担がかかります。その結果として、せぼねを構成する椎間板、靭帯、関節や椎体・椎弓などの骨に負荷がかかり、これらの構造に様々な変化をきたしてきます。この変化により、神経が圧迫されてしびれや痛みなどの感覚障害や、動きの悪さである運動障害を呈してしまいます。こうした変化は、せぼねのどの部位にでも生じ得ますが、動きが大きく体重もかかる腰椎で多く、次いで頚椎に多くみられます。

■当院で行うせぼねの手術
当院では頭蓋頚椎移行部(頭から首に移行する部分)から頚椎・腰椎にいたるすべてのせぼねの領域の手術を行っています。
また扱う病気も下記のように多岐にわたります。この中でも特に頻度の高い脊椎変性疾患を中心に手術を開始しています。

■扱う病気
・脊椎変性疾患(頚椎症、ヘルニア、狭窄症など)
・脊椎靭帯骨化症(後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症など)
・脊椎・脊髄腫瘍
・脊髄血管奇形
・脊椎・脊髄外傷(圧迫骨折など)
・脊椎感染症
・先天奇形(キアリ奇形、二分脊椎など)

■脊椎変性疾患の当院での治療
加齢とともにせぼねの変化をきたす場所は複数にわたるため、MRIなどの画像では非常に多くの部位で神経が圧迫されているように見えることがあります。しかし、これら圧迫のみられるすべての部位が症状の原因では決してありません。われわれは、詳細な病歴聴取、診察を行い、その上でレントゲン、CT、MRIなどの画像検査、場合により電気生理学的検査を行い、現在患者さんを苦しめている症状の原因の部位をピンポイントに特定(神経高位診断といいます)し、治療方針を提案していきます。
多くの患者さんでは、まずは内服治療やブロック治療、リハビリテーションといった保存的治療を行っていくことになります。
一方、保存的治療で改善しなかったり、強い痛みや運動麻痺で生活に支障がある場合は、早期から手術をお勧めしていきます。手術に関しては様々な方法がありますが、ご高齢の患者さんが多い病気ですので、可能な限りお身体に負担の少ない、低侵襲な手術法を提案してまいります。

■手術後の流れについて
せぼねの病気において、これら診断と治療はもちろん重要ですが、手術前の症状の程度や期間によっては、手術で神経の圧迫を取り除くだけでは日常生活に復帰するには不十分な方もいます。弱った筋力や身体機能を改善させるには、手術後のリハビリテーションも非常に重要です。当院では、リハビリテーション室や地域包括ケア病棟を兼ね備えており、より速やかに術後の身体機能の低下を防ぐとともに、リハビリテーションへと移行することができ、日常生活へのより早期の復帰をサポートすることができます。

首や腰の痛み、手や足のしびれや痛み、歩きにくさなどでお困りの方は、ぜひ一度、脳神経外科までご相談ください。確実な診断を行い、最適な治療をご提案させていただきます。

※詳しくは本紙P.2~3をご覧ください。

問合:市民病院管理課管理G
【電話】28-5151 内線2203

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