出荷量 全国2位県内1位
碧南市の全国トップシェアを誇る農作物「赤シソ」。2022年JAあいち中央は生食用赤シソを125トン出荷し、全国出荷量2位、愛知県出荷量1位となりました。今回は、6月が出荷の最盛期となる碧南の赤シソについて特集します。
■JAあいち中央碧南しょうがしそ部会長 伊藤清衛(いとうせいえ)さん(80歳)
▽赤シソってどんなもの?
赤シソは、豊富なビタミンなどの栄養素が含まれており、特別な効能として、アレルギー症状を緩和する成分や粘膜や皮膚を守る働き、抗酸化作用、疲労回復や血液をサラサラにするなどの効果が期待できます。また、抗菌・防腐作用もあると言われており、料理と一緒にすることで食べ物が痛みやすい夏の時期の救世主になります。
▽人気の秘訣
碧南の赤シソは色艶が良く、香りが強いことが特徴です。葉の縮みが強く、調理すると鮮やかな色と良い香りがたくさん出ることも碧南の赤シソの魅力の一つです。
また、碧南の赤シソが人気の理由にはもう一つ、工夫された収穫・出荷が関係しています。
▽消費者に喜んでもらうために
赤シソは、梅干しの色付けやジュースに使われることが多いです。その際、茎や葉の軸はアクが出るため、取り除く必要があり、その作業に手間がかかるというのが消費者の意見でした。それを改善すべく、碧南しょうがしそ部会では、軸の長さを2cm以内にするという基準を設け、茶刈り機で収穫しています。また、収穫後すぐに洗浄・脱水を行い、袋詰めで販売しています。これは、他ではあまり見られない取り組みです。また、1991年という早いタイミングから始めたことで信頼を得られていると思います。実際に、市場から消費者に喜ばれているという声が聞けて、こだわり続けてきてよかったと感じます。
▽品質を高めてさらなる信頼を
3月から種をまき、準備をし始めます。4・5月は雑草が繁茂するため手作業で草取りを行います。また、葉が売り物である赤シソにとって害虫駆除も大切な作業です。暑くなり始める時期から丹精込めて育てています。
これからも消費者のニーズに応えながら、さらに良い品質のものを提供できるように努めていきますので、たくさんの人に手に取ってもらいたいです。そして、碧南の赤シソを好きになってもらえるとすごくうれしいです。
■碧南特有の取り組み
1.軸が短くなるよう上部10cm程度を茶刈り機で刈り取ります。
2.収穫後、すぐに洗浄をします。不良なものを取り除きながら、丁寧に水洗いします。
3.洗浄後、脱水機にて水分を飛ばします。赤シソが痛みにくくます。
4.さらに不良なものを取り除き、袋詰めします。軸を短く刈り取ることで消費者のニーズに沿った販売が可能に!
■小伴天 長田健太(おさだけんた)さん(54歳)
▽赤シソの新たな可能性
祖母が作る梅干しに赤シソが使われており、碧南の赤シソは子どもの頃から思い入れのある食材です。料理人になった今、色も香りも良いこの食材にはたくさんの可能性を感じます。薬味やソースにしたり、寒天で実際にお客様にも提供しています。他にもそうめんのつゆや葛切りなどにするのもおもしろいのではと考えています。今後も、農家や企業と手を取り合って、新たな商品開発ができたらと思います。
問合せ:農業水産課農政振興係
【電話】95-9896
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