「世界の平和を渇望して」
豊明市長 小浮正典(こうきまさふみ)
新しい年を迎えました。期待はふくらむ一方、日本では物価高が家庭生活に影響を及ぼし続けています。この物価高の一因であるロシアによるウクライナ侵攻から来月で丸2年となります。いまだ収束の目途は立っていません(先月現在)。さらに、昨年10月、イスラエルとパレスチナ・ガザ地区を実効支配するハマスとの紛争が勃発しました。乳幼児を含む多数の民間人が命を落としています。
これらのニュースに触れるたびに、人は何と愚かな種の生物なのか、と絶望の淵に立たされます。一方で、第二次世界大戦で310万人以上という途方もない死者を出し、広島・長崎で原爆を投下された日本は、78年間、世界中で紛争が起き続けている中にあって、平和を維持できています。
この要因には、日本の地理的要因、憲法の平和主義の原則、日米安保条約を含む安全保障体制などの要因が指摘されていますが、私は、戦場や空爆のなか生き残られた方や戦争孤児ら、戦争経験者の強い平和への思いが平和であり続けさせた抑止力だと思うのです。
世界に平和をいかに広げるかはとても難しい課題です。だからといって「できない」とあきらめず、今の平和国日本をつくりあげた先輩方のように、一人ひとりが強く平和を祈念し「続ける」こと、自分が「できることをやる」ことに尽きるのではないでしょうか。一人の力は無力です。しかし、強い思いは連鎖します。その連鎖は、今はネットを経由して世界を駆け巡ります。世界に住む人たちに戦争の愚かさと平和の素晴らしさを訴え続けましょう。
豊明市は1985年に市議会により平和都市宣言が掲げられ、2011年から平和首長会議に参加し、来年度から非核宣言自治体協議会にも参加予定です。一昨年からは市遺族会と毎年、平和祈念追悼式を執り行うこととしました。市は世界平和に向けてやれることを愚直にやってまいります。
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