SDGsへの理解と佐渡市の施策との関連性について学びを深め、身近な課題の解決に向けた政策提案を行うことにより、「佐渡を知り、愛し、誇りとし、社会的自立を目指す人づくり」をめざして、佐渡の未来について考える「高校生議会」を開催しました。各校代表質問と答弁の一部をご紹介します。
※参加者氏名につきましては本紙をご覧ください。
■羽茂高校
山田 大翔(やまだ だいと) 議員
私たちのグループは、佐渡市の医療にフォーカスし、佐渡の未来について考えています。
大幅に削減された病床数の確保の対策として、「医療と介護の連携」という改善策が提案されていますが、「医療と介護の連携」とは、具体的にどのような策でしょうか。また、その策で介護施設と連携を取るのであれば、介護職員の負担増が予測されますが、増加する負担への対策として考えていることはありますか。
◆答弁 渡辺市長
◇医療と介護の連携の具体策
病床数の確保については、全体のベッド数ではなく、急性期から回復期、慢性期のベッド数で判断すべきと考えています。現在、佐渡市では急性期のベッド数は確保されている一方、主に高齢者医療で必要となる慢性期のベッドが不足しており、今後どのように確保するか、医療経営の危機の問題とあわせて考える必要があります。
将来構想としては、介護現場においても一定程度の医療が提供できる体制が必要であると考えています。
利用者の症状に合わせて適切に医療サービスと介護サービスを提供できるような情報の連携が必要であり、現在はそれに向けて医療現場と介護現場相互の連携体制を進めています。
具体的にはICT(情報通信技術)を活用し、利用者と施設機能を適切にマッチングできるようなシステム開発を現在進めているところです。
◇介護職員の負担増加に関する対策
介護の現場では、医療的処置が必要な入所者への対応に不安を抱えているといった現状があります。
対策として、介護施設で働く看護師の増員や、医師が介護施設へ出向いたり、オンライン診療の導入などが考えられます。介護施設と医療が円滑に連携し、役割分担をすることで、介護職員の不安や精神的負担を軽減できると考えています。
■佐渡中等教育学校
小林 千夏(こばやしちなつ) 議員
私たちのグループでは、ごみ問題による自然環境への悪影響や景観の乱れを懸念しており、問題の解決に向けた取り組みを考えました。
それは、佐渡市に住む学生が、それぞれの学校で年に一回以上の事前学習とごみ拾い活動を公的行事として実施することです。この取り組みを実施することで、道路や海岸に落ちているごみの量を一気に減らすことができます。他にも、「回収したごみの量を可視化し、データとして活用できる」「学生にとって、座学では学べないことを学ぶ機会になる」「行事を通して、地元や地域への関心を高め、さらなるボランティア活動への参加が期待できる」「地元や地域への愛着を高めることにつながり、市民の活力の向上にもつながる」などの多くの利点が考えられます。
◆答弁 市民生活部 祝副部長
市内では、各集落や団体からボランティア清掃を実施していただいており、市民の皆さまの環境美化に関する意識や関心度の高まりから、令和3年度は208回、令和4年度は255回、令和5年度は270回と実施回数が年々増加しています。
地域に住む若い世代の皆さまが環境やごみへの関心を寄せることにより、その影響はご家族やご親族に広がり、地域全体に広がっていくと考えられます。それは注意喚起にもなり、不法投棄の減少、ごみの分別への意識の醸成にも及ぶと考えますので、ぜひ、地域の環境美化活動に積極的にご参加いただきたいと考えています。
また、分別の徹底はリサイクル可能な資源量の増加にも繋がり、焼却炉への負担軽減にもなります。例えば、ペットボトルのキャップとラベルを取り、きれいに洗ってペットボトルの回収日に出すことで、新たにペットボトルを作る資源に変わります。こういった身近な取り組みに学生の皆さまからの協力があれば、その効果は大きく、佐渡市が目指す「地域循環共生圏の創造」となる美しい自然景観の維持、地域資源の活用に大いに貢献することになると考えていますので、ぜひご協力をお願いします。
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