文字サイズ
自治体の皆さまへ

座談会 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)武内理事長×渡辺市長

4/33

新潟県佐渡市

◇公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)理事長 武内 和彦(たけうち かずひこ)
東京大学未来ビジョン研究センター特任教授などを兼任。専門は自然環境学、サステイナビリティ学。前中央環境審議会会長として第五次環境基本計画を主導し、SDGsをローカル化するための「地域循環共生圏」の概念と手法をとりまとめる。

◇公益財団法人地球環境戦略研究機関
令和2年12月に締結した持続可能な都市・地域づくりに関する連携協定を契機に、脱炭素先行地域やSDGs未来都市の推進など、多岐にわたる分野でサポートいただくほか、国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)や国連ハイレベル政治フォーラムなどの国際的な場を通じて佐渡市の取り組みを世界に情報発信いただいている。

■生物多様性と気候変動対策(脱炭素化)の相互作用・共進に向けて
武内:佐渡市がこれまで実施してきた生物多様性の取り組みが、ようやく世界的にも国内的にも陽の目を見る状態になってきた。脱炭素は世の中の人が関心をもって予算も付く。民間企業もそれに加わっていくが、生物多様性はそうではなかった。
市長:平成20年のトキ放鳥では、実に島民の70%が生物多様性という言葉を認識していた。これはものすごいこと。
武内:SDGsを地域で展開していくことが非常に大切。SDGsは開発途上国を対象としたミレニアム開発目標をもとに貧困撲滅や経済格差の是正、都市や農村の発展、さらには人権確保など17の幅広いテーマに対応していくことが提唱された。これが先進国にまで展開されたもの。そのため、文化という側面への意識が低かった。SDGsの次のステージとして、文化を18番目のゴールとして強調していくべき。
市長:昨年度から施行したローカルSDGs推進条例の基本理念でもあるが、まさに今、18番目のゴールとして「歴史・文化」をモチーフにした佐渡オリジナルロゴマークのデザインを募集している。7月中に選定し、お披露目したい。
武内:佐渡市は生物多様性から始まったが、脱炭素はまだ全国的には先進的ではないと認めざるを得ない。ただ、可能性は非常に高い。具体的にはソーラー、風力、バイオマス、波力などの自然エネルギーを基礎とした社会に転換できるポテンシャルがある。佐渡は離島であることから分散型のエネルギー社会をモデルとして築いていくためには試みやすい環境にある。
市長:一番の課題は人口減少である。ただし、30代以上は転入が転出を上回っている状況。10代20代の転出を抑えることで社会減が止まる。人口減少はライフラインの維持に影響する。かつて10万人が生活していたインフラを5万人で維持している。武内先生からお話があった脱炭素に関しては、自然エネルギーをいかに活用しながら生産年齢人口を確保し、経済をどのように循環させるか。まさに環境、経済、歴史・文化の好循環が非常に大切。

総合政策課政策推進係
【電話】63-3802

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU