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歯の健康

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新潟県加茂市

■小学校でフッ化物洗口が始まりました!
今年度からついに加茂市内の全小学校でフッ化物洗口が始まりました。そこで、今回は子供から大人まで使用しているフッ化物配合歯磨剤(歯磨き粉)について最新の知見と共におさらいしましょう。

◆フッ素(フッ化物)はどのように働くのか
3つの働きで、むし歯の発生と進行を防ぎます。

▽エナメル質の修復を促進
酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。

▽歯の質を強化
歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、むし歯への抵抗力を高めます。

▽菌の働きを弱める
むし歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸が作られるのを抑えます。


(※詳しくは本紙をご覧ください。)

◆口の中に長く留まるほど効果的
歯磨きの後に、口の中に残ったフッ化物がむし歯予防に効果的に働くため、フッ化物を長く留める歯磨剤がおすすめです。うがいをするときも少量の水で、あまりブクブクせずに軽く1回程度で吐き出すことで口の中に長く留まります。口の中がすっきりしないからと激しくうがいをするとせっかくの効果が薄れてしまいます。

◆脱灰を抑え、再石灰化を促進するために毎日のケアが重要
口の中が常に中性であれば、歯の脱灰は起こりませんが、脱灰と再石灰化は1日の中でもめまぐるしく起こっています。
初期むし歯ができてしまっても、フッ化物の活用やその他のケアにより再石灰化しやすい状態を作り出せれば、修復は可能です。初期むし歯が修復されるまでには、半年~1年程度かかるといわれています。その意味では、歯科の定期健診が半年に1回以上と推奨されるのは理にかなっているといえるでしょう。また、初期むし歯は自分では見つけにくく、歯科専門家による定期的なチェックが必要です。
「初期むし歯ができてしまった!」と慌てて一時的にケアに気を遣うだけでは、フッ化物の効果は十分に発揮されません。日々、口の中の環境は変化し、脱灰に傾くリスクは常にあります。だからこそ、毎日のケアでフッ化物をしっかり取り入れ、継続的にむし歯予防に努めることが大切です。

◆推奨される歯磨き粉のフッ化物濃度と使用量
2023年1月に「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」(日本小児歯科学会・日本口腔衛生学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会合同の提案)が発出されました。
日本の子どものむし歯は経年的に減少傾向にありますが、その罹患率は他の疾患と比較しても高く、また成人では約3人に1人が未処置むし歯を有し、高齢者では残存歯数の増加に伴い、むし歯経験者は増加しています。
むし歯予防のフッ化物応用は75年以上の歴史で安全性と有効性が繰り返し確認されており、中でもフッ化物配合歯磨剤は日本で広く普及してます。フッ化物応用の研究のアップデートや、市販歯磨剤のフッ化物濃度の変更、国際的な推奨の更新を受け、日本のむし歯予防および治療を専門とする4学会合同で、現在の日本における推奨されるフッ化物配合歯磨剤の利用方法が以上のようにまとめられました。

もし疑問・質問等ありましたら、かかりつけの歯科医院で歯科医師・歯科衛生士に聞いてみてください。

協力 加茂市歯科医師会

表 推奨されるフッ化物配合歯磨剤の利用方法

・乳歯が生え始めたら、ガーゼやコットンを使って口のケアの練習を始める。歯ブラシに慣れてきたら、歯ブラシを用いた保護者による歯みがきを開始する。
・子どもが誤って歯磨剤のチューブごと食べるなど大量に飲み込まないように注意する。
・要介護者で嚥下障害を認める場合、ブラッシング時に唾液や歯磨剤を誤嚥する可能性もあるので、ガーゼ等による吸水や吸引器を併用するのもよい。また,歯磨剤のために食渣等の視認性が低下するような場合は、除去してからブラッシングを行う。またブラッシングの回数も状況に応じて考慮する。
・歯磨剤に加えフッ化物洗口や塗布の組合せも重要である。

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