加茂養生訓 1 -老いに至りて楽しみを増す-(平均寿命と健康寿命)

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始めまして。
小生は、医師になって46年目の老内科医師です。
この春から、加茂で働くにあたり、何か役に立てることは無いかと考え、思いついたのが、この紙面をお借りして、加茂で暮らす方々の健康維持に有用な情報を発信することでした。皆様が健やかに暮らすことに少しでもお役に立てれば幸いです。

今回は初回として、日本人の平均寿命と健康寿命についてお話しします。
戦後日本人の平均寿命は飛躍的にのび、男女とも約20歳以上長くなりました。現在の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳で、世界でもトップクラスを維持しています。その背景には、1.医療医術の進歩、2.乳児死亡率の減少、3.生活環境の改善が挙げられます。人生百年時代と言われますが、今年は百歳を超える人が日本全体で10万人を超えると予想されます。

さて、寿命が延びること自体、とても喜ばしいことですが、どんな状態で百歳を迎えるのかがとても気になる所です。その基準が健康寿命です。健康寿命とは、『健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間』と定義され、平均寿命と健康寿命の差が『健康ではない期間』を意味しており、誰かの助けを借りながら生活する期間でもあります。2019年のデータでは、男性が72.9歳、女性が75.4歳で、平均寿命との差が、男性は8.7年、女性が12.1年でした。ずいぶん長い間私たちは『健康ではない期間』を過ごしていることが分かります。

ご存知のように現在日本は少子高齢化・人口減少化社会の真っただ中にいます。働き手が減少していく中で、今後もまだ増加する高齢者こそがこれからの日本を支える原動力になると考えています。それには高齢者が元気に活躍できる社会を作ることに他なりません。健康寿命を延ばすことが、その実現への一歩だと思います。

健康寿命の延伸には、(1)食事、(2)運動、(3)コミュニケーションの3つがポイントです。次回はそれについてお話いたします。

加茂病院　富所　隆

問い合わせ：県立加茂病院総務課
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