令和5年の救急出動件数が過去最多の3,561件となりました。
■救急車は生命に関わる地域の有限な資源です
救急車の要請頻度が高まる中、ニュースなどで取り上げられているタクシー代わりの不適切利用や、救急活動の状況をSNSに投稿するなどモラルの低下が救急活動に影響を及ぼしています。このことは一刻を争う重症傷病者への対応の遅れにつながります。
自力で病院に行ける人や症状が軽い人は、119番通報する前に「本当に救急車が必要か?」を考えましょう。判断に迷う場合は救急安心センター事業(【電話】#7119)への電話や、全国版救急受診アプリ「Q助(きゅーすけ)」を活用することで緊急度に応じた対応方法のアドバイスが受けられます。
(詳しくは、本紙24ページ「救急医療」に掲載)
限られた医療資源を有効に使い、必要な人に適切な医療が届くよう、みなさんのご協力をお願いします。
突然の強い頭痛や胸痛など、生命を脅かすような症状がある場合はためらわずに救急車を呼んでください。
■収容までの時間短縮に取り組んでいます
救急件数の増加に伴い、医療機関収容までに要する時間は全国的に延伸しています。令和4年の全国平均は40.6分、市消防本部の平均は46.6分でした。
市消防本部では、令和4年から救急隊が現場でスムーズに活動を行い、医療機関に搬送するまでの時間を短縮することを目的に、救急車が現場に到着するまでの間に傷病者や家族などに直接電話をかけて情報収集を行う「プレアライバルコール」という取り組みを開始しました。
この取り組みにより、令和5年では医療機関収容までの時間が令和4年と比較し3分以上短縮することができました。一刻も早く医療機関へ収容できるように、今後も改良を重ねていきます。
※市消防本部管内には、5台の救急車が配置されています。
■市民病院と救急隊の連携を進めています
『地域住民の「生きる」を支え続ける』という理念を遂行するためには日常の診療はもちろんですが、救急医療体制の提供も非常に大事なものと考えています。その一環として本年度から救急隊との勉強会を開始した他、研修医の救急現場研修なども開始しました。
受診を断らない救急医療の提供をめざして努力していきます。
〔救急医療委員会〕
市民病院救急医療委員長 外科医長 川井正隆先生
救急医療委員会は、救急医療の体制づくりと整備、救急医療機能の改善と質の向上を図るため、救急患者の内容の分析や救急体制の整備、問題事例の検討などを毎月行っています。
〔研修医救急現場研修〕
研修医 鈴木宏幸先生
今回の研修で実際に救急車に乗ることができ、とても貴重な経験となりました。限られた時間の中で、救急隊員が家族などから患者の状態をとても詳しく聞き取りをしていたことに、大変驚きました。
今後は今まで以上に救急隊員の話を詳しく聞き、診療に活かしていきたいと思います。
■119番通報から医療機関収容まで
1.通信指令室で通報を受けます。通報を受けると同時に、隊員に出動指令!
2.隊員は放送を聞きながら準備し、通信指令員が聞き取った情報を確認します。
3.出動!状況にもよりますが、通報を受けてから2~3分ほどで出動します。
[プレアライバルコール中現場に向かう途中に電話をします]
4.電話で家族などから情報収集し、患者の状況を把握します。
5.搬送中には、救急救命士が観察・処置をおこないます。
6.医療機関は救急隊からの情報提供により受け入れ体制を整えます。
問合せ:市消防本部警防課
【電話】782・5331
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