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【妙高市史編さんだより2】地域に残る史資料の掘り起こし

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新潟県妙高市

市教育委員会は、昨年度から新たな市史の編さんに向けて準備を進めています。現在、時代ごとに変化する地域の営みを語る歴史的なもの(史資料)を収集するために、集落調査を実施しています。大鹿地区での集落調査の様子を紹介します。

■集落調査を開始。大鹿地区での取組
○集落調査は史資料の収集が目的
集落調査は、区長さんなどを通じて実施をお願いしています。集落調査の大きな目的は、これまであまり目が向けられてこなかった史資料を収集することです。
例えば、道端にたたずむ石碑や石仏、木曽義仲や上杉謙信などにまつわる伝説や由緒地、ほかの地域には見られない自慢の景色、若い世代に伝えたい地名や伝統行事、地域の先人が発行した刊行物などです。
大鹿地区では、妙高村史で扱われなかったもの(書庫に眠っていた明治の地籍図、圃場整備で発見された仏像、土地の区画や山城など)を中心に集落調査を実施しました。

○集落調査を地域の歴史を語らう機会に
大鹿地区の集落調査は、昨年12月に大鹿自治協議会会長との打ち合わせから始まっています。3回目の調査となった5月21日は、大鹿克雪センターに、地域の60~80代の男性7人(最高齢は88歳)から、地籍図や山城にまつわる話などを聞きました。地籍図は、描かれている内容から明治6~13年の間に作られたものと推測される旧大鹿村と旧大鹿新田のもの。会議室いっぱいに広げた地図を見ながら、地域全体の様子を確認しました。
調査会の冒頭、これまでの調査で大鹿地区を見下ろす場所に山城があったのではと想定できた件について、調査員が最有力の場所を調べたが存在は確認できなかったと報告。すると、「地域には、『城下』『おたて』『堀切』など城にまつわる地名がある」、「小高い場所の畑からは海まで見えるほど眺めがいい場所だった」など、次々と昔の話が出てきました。
また、集落に出かけて行った現地調査では、間口が狭くて奥が広くなっている土地の形状や、道路にある不自然なカーブは、昔の地割りがそのまま残っているもので、それぞれが意味のあるものであるとの説明を受け、皆さんは地域の歴史について理解を深めていました。
大鹿での3回の集落調査には、延べ29人のかたに集まっていただいたほか、個人的に調査を受け入れてくださったかたもいます。ふるさと大鹿を思う地域の多くの皆さんに集落調査を支えていただきました。今後、集落調査が地域の歴史を語らう機会につながっていくことも期待しています。

■私たちが地域におじゃまします
昨年度から市史編さんの準備に関わっている2人の調査員から、これから本格化していく集落調査への期待を伺いました。

[高橋勉調査員]
旧3市町村史が作られてから、随分と時間が経過しました。その間、妙高市に関係する新たな歴史資料で、新たな歴史解釈がなされています。また、今回大鹿地区で実施した集落調査では、今まで知られていなかった史資料が多数見つかりました。これから順次地域を回って調査を進めていきますので、ご協力をお願いします。

[今井一昭調査員]
皆さまと楽しいひとときを過ごすことができました。地域の過去を教えていただきながら、改めて地域の先人、先輩の偉大さを痛感しています。勝手に大鹿地区の一員になったようにも感じました。妙高市の皆さま、地域の楽しいお話をたくさん聞かせてください。ご協力をお願いします。

○調査のお願い
市から地域の代表のかたに連絡し日程調整します。ご協力をお願いします。

■市民に親しまれる市史を目指して
市教育委員会では、令和5年度に市史編さん準備委員会(小林啓一委員長)を設置し、市史に関する市民アンケート、3回の会議と方針をまとめるための資料収集、先進事例の調査などを行いました。今年3月には、編さん方針となる「妙高市史編さん計画案報告書」をまとめ、市長と教育長へ提出しました。
今年度は、集落調査を行いながら市史編さん委員会を設置し、本格的な編さん作業へと移行していく計画です。令和11年に第1巻の発行を予定していて、これまでの市史の形態と違って、ストーリー性がある構成で、たくさんの写真や図表を使った理解しやすい内容に仕上げていく考えです。

妙高市史は、より市民に親しまれるものを目指します
妙高市史編さん計画案報告書はこちら(本紙またはPDF版に掲載の二次元コードをご利用ください)から

問合せ:生涯学習課 市史編さん室
【電話】74-0035

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