文字サイズ
自治体の皆さまへ

フレイル予防のための運動器科学講座が送る健康情報

31/43

新潟県小千谷市

フレイルは社会全体の病です。老若男女全ての市民の健康と幸せ無くして防げません。このコーナーでは、健康に役立つ情報を幅広くお届けします。

■腰の病気の代表 腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア
JA新潟厚生連小千谷総合病院
整形外科医師 田仕英希さん

◇腰椎椎間板ヘルニアとは
「椎間板」は、背骨と背骨の間をつなぐクッションのような組織のことです。椎間板ヘルニアは、椎間板の内部にある「髄ずいかく核」という組織に何らかの力がかかることで、椎間板が外側の「線維輪(せんいりん)」を破って飛び出した状態です。座布団の中の綿が布を破って外に飛び出した状態を想像してみてください。

椎間板ヘルニアの多くは腰痛を引き起こします。さらに、飛び出した髄核が背骨の神経を圧迫し、片方の足にひびく痛み(坐骨神経痛)が生じます。神経の痛みは非常に不快なことが多く、一般的な痛み止めも効果が低いため、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。重症になると痛みだけでなく、足に力が入りにくくなることもあります。よく見られるのが、足首を起こせなくなることで歩行の際に足先が地面に引っ掛かり転倒しやすくなる「下垂足(かすいそく)」です。基本的には手術を必要としない病気ですが、筋力低下が見られる場合などは、手術治療が必要となることもあります。ヘルニアとなった髄核は、時間が経つと自然に縮小していきます。その間は安静、薬物療法、神経ブロック治療などの保存療法を行います。

◇新しい治療法
平成30年に、椎間板ヘルニアの新しい治療法として「椎間板内酵素注入療法」が日本で承認されました。これは、椎間板に針を刺し、髄核を溶かす酵素を注入する治療です。承認から5年が経過しましたが、良好な治療成績の報告が多数あります。この治療の欠点は「一生のうちにこの治療を受けられるのが1回だけ」という点で、2回目以降は重大なアレルギー反応が起きる恐れがあると言われています。効果が乏しい場合は、手術治療などに切り替えることが可能ですので、条件が揃えば考える価値のある治療です。当院でも、1泊2日の入院で椎間板内酵素注入療法が可能です。お困りの方は気軽にご相談ください。

問合せ:健康・子育て応援課 健康増進係
【電話】83-3640

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU