■CASE No.53 新潟工科大学
VRが広げる可能性を生かして、建築の常識をチェンジ!
●[KEY PERSON]新潟工科大学 環境設備・芸術工学研究室 教授 飯野秋成(いいのあきなる)さん
建築環境工学を専門とする飯野秋成教授は、VR(バーチャル・リアリティ)技術を活用しながら、『建築』に『情報』をプラスした精度が高い設計を研究しています。
▽震災復興後の商店街など、VRでリアルに再現
「建築を学んでいる学生が書く図面は、時にスケール感がつかめていないことがあります。そこで、バーチャル空間にその建物を建てて、実際に入ってもらいます。バーチャルとはいえ精密に作り込むので、図面でのイメージと実際のスケールの違いに、学生たちも驚いています。また、素材感のイメージを掴むことにも役立ちますので、VRで感じたことをフィードバックすることがより良い設計につながります」
2017年には、中越沖地震で大きな被害を受けたえんま通り商店街をVRで再現しました。住民から提供された震災前の写真をもとに、建物や看板などのサイズや素材を測定し、リアルな街並みを作り込みました。
「実際に住民の方に見ていただき、多くの方に喜んでもらえました。このような技術も復興の一助になればと考えます」
飯野教授は常に『使うひと』に寄り添った建築を心がけています。
▽ゼロから答えを導き出すために、思考を試行する
新潟工科大学の学生食堂の増設部分は、過去に飯野教授の元で学んでいた学生が在学中に設計しました。
「設計や素材選びなどは学生自らの力で進めたプロジェクトでした。一部、設計士からのアドバイスを受けながらも、ほとんどが学生の考え通りに進みました。在学中の学生が設計した建物が、実際に学内に建っている大学は新潟工科大学だけじゃないでしょうか?(笑)」
学生の実績に誇りを持っている飯野教授ですが、その研究分野は『答えのないものの答えを導き出す』もので、『これが答え』かもしれないという思考から、すべてが始まります。
飯野教授は学生たちに対し、「すぐに答えを求めるのではなく、試行錯誤を繰り返し、様々なことに果敢に挑戦してもらいたい」と語ります。飯野教授らが導き出す『答え』が、未来の暮らしをさらに快適に変えていくかもしれません。
●[MESSAGE]市民のみなさんにひとこと
建築に限らず「面白そうだな」と感じたことを研究テーマにすることもあります。市民の皆さんとバーチャル空間で議論するのも面白そうですね(笑)
「省エネ・防災など、様々な建築設備について、イラストでわかりやすく解説した書籍も出版しています!」
■新潟産業大学からお知らせ
▽シンポジウム「国際日本学の現在~Global Historyのなかでの日本研究の可能性」を開催します
国際日本学についての最先端の動向と研究状況を紹介します。
皆様のご参加をお待ちしております。
日時:3月23日(土)13:00~17:05(受付12:30~)
会場:新潟産業大学202教室
※対面とオンライン(Zoom)のハイブリッド式にて開催します。
内容:基調講演・研究発表・質疑応答及び全体討論
・基調講演(対面)「海賊史観からみたアジア交易史の500年:国際日本学の道しるべ」稲賀繁美
・研究発表1(対面)「弘知法院御伝記~大学生英語版歌舞伎公演を作るチャレンジと喜び」Laurence Kominz
・研究発表2(オンライン)「中国における日本研究~日本文化研究の現状と課題を巡って」金勲
・研究発表3(オンライン)「万葉集の韓国語訳~古代韓国とのつながりを中心に」崔光準
参加費は無料です
締切り:3月18日(月)17:00
問い合わせ:地域連携センター
【電話】0257-24-8441
■新潟工科大学からお知らせ
▽卒業生との情報交換会が行われました
学生の就職対策の一環として、卒業生との情報交換会を2月6日(火)に開催しました。県内の産学交流会会員企業20社と、その企業に就職した卒業生22名が参加し、ブースに分かれて企業説明とフリートークが行われました。学生たちは、企業の事業内容についてはもちろん、先輩の就活の取組み方や就職後のリアルな様子について、真剣な表情で聞き取り、積極的に質問していました。
本学では引き続き、企業や卒業生と連携し、学生たちが希望の進路に進めるよう支援してまいります。
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※この紙面はスタッフゼプトが制作しています。
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