■CT検査豆知識
県立坂町病院 放射線科
三澤 智志
突然ですが、関川村のみなさまにクイズです。放射線科にある「CT」って何の略かご存じでしょうか?
いきなりクイズを出しておいて何なんですが、答えはちょっぴり難しいです。「CはComputedコンピュータのC」「TはTomographyトモグラフィのT」両方の頭文字をとって略して「CT」と呼んでいます。でもトモグラフィって何ですか?って話になりますよね。トモグラフィは断層撮影という意味で、簡単に言うと輪切りの写真が撮れるってことなんです。
次に、X線CT検査の流れについて紹介します。まず、検査用のベッドの上に横になってもらいます。装置の真ん中にある空洞に体が入るようベッドを動かして、空洞に入った部分に360度グルッとX線をあてて撮影していきます。仕上げに、撮影した部位のX線の透過性の違いをコンピュータで計算して輪切りの写真が完成します。坂町病院のCT検査では、輪切りの厚さが5と1の2種類の厚さの写真を作って観察しています。ちなみに、輪切り以外でも、縦切りや横切りなど、様々な角度の写真も作ることができます。
ちょっぴり恥ずかしいですが、CT装置で撮影した私のお腹の写真を掲載してみました。「なんだ白黒じゃん」って思いませんか。それでも、写真の濃淡(グレースケール)を見たい臓器に合わせ自由に調節して観察することにより、微妙な体の中の変化を知ることができます。また、CT検査では造影剤を使用することがありますが、造影剤も同様に写真の濃淡を利用しています。静脈注射で造影剤を体の中に取り入れると、「黒〜灰色」で表示された臓器に「白」に写る造影剤が染み込みます。染み込み方の違いよって、正常な部分と異常な部分との間に濃淡差がつき、病気を見つけ出しやすくする仕組みです。造影剤は、その名の通り「影を造る薬」なんです。
最後に、X線被ばくについてです。被ばくは、なるべくしないに越したことはありません。それでもなお、病気の有無や病気の状態を把握するメリットが大きいと判断した場合に、検査をうけてもらっています。X線の量も、必要以上に当てすぎないよう患者さんの体格に合わせて、コンピュータで制御しています。坂町病院のCT装置は、しっかり線量管理されていますのでご安心ください。
CT検査豆知識いかがでしたか?検査の時、何か気になることがございましたら、お気軽にお声がけくださいね。
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